住宅ローンの共有名義人が死亡した場合、住宅ローンの返済はどうなるのか、何か手続きが必要なのか気になっている人もいると思います。
残債を返済しなくてはならない場合、収入の現象が原因で返済の継続が困難になる可能性もあるため、万が一の事態に備えて対処法を事前に把握しておくことが大切です。
この記事では、住宅ローンを返済中に共有名義人が死亡した場合の対処法について解説します。
共有名義で土地・建物などを取得した人は参考にしてください。
目次
共有名義となる住宅ローンの契約形態
一戸建てやマンションといった物件を住宅ローンで購入しても、必ず共有名義になるわけではありません。
共有名義になるには、以下の3つのいずれかの契約形態を選択した場合のみです。
・連帯債務
・連帯保証
・ペアローン
それぞれの契約形態について詳しく説明していきます。
●連帯債務
連帯債務とは、夫婦の収入を合算した金額に基づいて融資額(上限額)を決定する契約形態です。
連帯債務は契約者とは別に連帯債務者が設定されます。
通常は、契約者のみが団体信用生命保険(団信)に加入するため、連帯債務者が死亡もしくは高度障害状態になっても返済義務は残ります。
しかし、住宅金融支援機構などが提供しているフラット35のように契約者だけでなく連帯債務者も団体信用生命保険団信に加入できるものも。
両方が団信に加入していれば、契約者と連帯債務者2人のどちらが死亡しても、相続によって住まいを取得した人は全額返済免除となるので安心です。
●連帯保証
連帯保証も連帯債務と同様、夫婦の収入合算(年収合算)した金額に基づき融資額(上限額)を決定する契約形態です。
契約者の返済を保証する形で連帯保証人が設定されます。
連帯債務と違うのが、団信に加入するのは住宅ローンの契約者のみであるという点です。
契約者本人が亡くなった場合、名義変更手続きによって相続人(共有者)は単独名義となりますが、保障が適用されるので返済義務を負わずに済みます。
反対に、連帯保証人が何らかの理由で死亡した場合、返済を継続できなければ抵当権の実行によって住まいを失う可能性があるので注意が必要です。
●ペアローン
ペアローンとは、夫婦が各自の収入に基づいて別々に住宅ローンを締結する契約形態です。
夫婦が互いに相手の住宅ローンの連帯保証人となります。
団信は各自加入するため、万が一のリスクに備えられるのがメリットと感じた人もいるかもしれませんが、メリットとはいいきれません。
その理由は、夫婦のどちらか1人が死亡した場合、免除されるのは亡くなった側の残高のみであるという注意点が挙げられるためです。
そのため、自身が契約した借入分については、必ず返済対象となるということを覚えておきましょう。
共有名義人が死亡しても住宅ローンが残るケース
契約形態によっては共有名義人が死亡しても、住宅ローンが残らないケースもありました。
しかし、以下の3つのケースに該当する場合、死亡しても住宅ローンが残るので注意が必要です。
・団体信用生命保険に加入していない
・支払事由に合致しない
・団信の契約が失効している
それぞれのケースについて詳しく解説していきます。
●団体信用生命保険に加入していない
団体信用生命保険は加入が義務化されているものではありません。
そのため、死亡した共有名義人が団信未加入の可能性があります。
もし、団信に未加入の共有名義人が死亡した場合には、住宅ローンの残債については残された家族が負担することになります。
基本的には団信の加入を住宅ローンの利用条件としているケースが多いですが、団信未加入の場合は共有者または相続人が残債を負担しなくてはなりません。
残債を負担したくないという人は、相続放棄の選択を視野に入れましょう。
●支払事由に合致しない
団体信用生命保険に加入しているからといって、必ず保障が受けられるとは限りません。
団信加入者が死亡すると、通常は住宅ローンの残債相当額の保険金が支払われますが、代位弁済が行われないケースもあります。
例えば、保障開始から一定期間内に自殺した、告知内容に虚偽がある場合などです。
団信に加入していれば、必ず保障を受けられるというわけではないという点に注意してください。
●団信の契約が失効している
住宅ローンの返済が遅延し、期限の利益が喪失している場合にも保障が受けられません。
団信の保険料は契約者ではなく金融機関が支払っており、住宅ローンの返済遅延が続いた場合には、金融機関は保険料の支払いをストップします。
返済遅延の結果、保障を受けるために必要な保険料が支払われないため、団信の契約は失効します。
知らずのうちに団信の契約が失効していたというケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
共有名義人が死亡したときの住宅ローンへの対処法
共有名義人が死亡したときに団信の適用によって住宅ローンを完済できれば問題ありませんが、残債が残った場合にはどのように対処すればいいのでしょうか?
共有名義人が死亡したときの住宅ローンへの対処法として、以下の2つが挙げられます。
・住宅ローンの借り換えを検討する
・不動産を売却して住宅ローンを一括返済する
それぞれの対処法を紹介してきます。
●住宅ローンの借り換えを検討する
残債の返済を継続できるのであればそのまま返済を継続することで手元に不動産を残すことが可能です。
しかし、収入の減少により負担が大きい場合は住宅ローンの借り換えを検討するのも選択肢の1つです。
収入の減少によって住宅ローンの借り換えが厳しい場合でも、金融機関に相談すれば返済期間の延長、金利の低下により返済負担(費用負担)を抑えられる可能性があります。
返済を継続する予定の人は一度金融機関に相談してみましょう。
●不動産を売却して住宅ローンを一括返済する
返済不能に陥りそうな場合の選択肢の1つに相続放棄が挙げられます。
しかし、相続放棄はマイナスの財産だけでなく、プラスの財産も放棄することになるので損をする可能性があります。
そのため、プラスの財産が上回っていて、不動産を売却して住宅ローンを一括返済できるのであれば一括返済した方が良いでしょう。
不動産の売却方法は大きく以下の2つに分けられます。
・不動産会社に仲介を依頼する
・不動産買取業者に買い取りを依頼する
・不動産会社に仲介を依頼する
不動産会社に査定を依頼し、査定結果に基づいて買い手を募ってもらいます。
市場相場に近い売却結果が期待できる一方、買い手が見つかるまでに時間がかかる可能性があるというデメリットがあります。
不動産会社に査定を依頼する際は、査定結果は各不動産会社によって異なるため、複数社に査定を依頼するのが一般的です。
手間と時間を省きたい人は、一度物件情報を登録するだけで複数社の査定を受けられる不動産一括査定サイトの利用が便利なのでおすすめします。
・不動産買取業者に買い取りを依頼する
不動産買取業者であればすぐに現金化できます。その理由は、双方が契約条件にさえ合意すればすぐに成約するためです。
しかし、不動産買取は転売による利益を目的としており、買取価格が相場よりも低くなる傾向があります。
そのため、少しでも高く売却したい人は、複数の買取業者に査定を依頼し最も高い査定結果の不動産買取業者に買い取ってもらいましょう。
少しでも高く買い取って欲しい人は「ソクガイ.jp」に相談することをおすすめします。
ソクガイ.jpは通常の不動産だけでなく訳あり物件の買い取りにも対応しています。
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万が一の事態を想定しておくことが大切
住宅ローンの共有名義人が死亡した場合、共有者や相続人に支払い義務が生じる可能性があります。
残債を支払うことができない場合は不動産を売却して完済しなくてはなりません。
万が一の事態が発生しても落ち着いて対応できるように、共有名義人が死亡した場合には住宅ローンの残債がどうなるのか、売却の方法などを事前に確認しておきましょう。
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。