この記事を読んでいる方は、ローンの残債がある家を売却したいが
・そもそも売却できるの?
・売却金額で残債は一括返済できるの?
・売却するにあたって必要な手数料や、かかる税金はあるの?
といったお悩みをお持ちなのではないでしょうか。
住宅ローンの残債がある状態で売却するのはとても不安ですよね。
今回は住宅ローンの残債が残っている物件の売却方法や注意点、売却以外の選択肢をご紹介します。
残債のある物件の査定も大歓迎!
目次
ローンの残債がある状態で売却は可能なのか
結論からお伝えすると、ローンの残債がある状態で売却することはできません。
不動産購入時、ローンを組むと同時に金融機関から抵当権という権利を付与されます。
万が一ローンの返済が滞った時に、支払われないローンの返済額を回収する為に、金融機関が住宅や土地を差し押さえ、競売にかけます。金融機関が”不動産を担保に入れてお金を貸す”という構造をつくるために、抵当権の設定が必要なのです。
この抵当権はローンを完済したタイミングで抹消手続きを経て抹消されます。
物件の引き渡しは抵当権を抹消した後でないとできないため、原則物件を売却する場合は住宅ローンは完済している必要があります。
ローンの残債があっても売却できる条件
前項でローンの完済が物件売買の条件とお伝えしましたが、ローンの残債があっても売却できる方法があります。
それは物件の売却価格がローンの残債を上回ること(アンダーローン)です。
この場合、物件の売買完了と同時に抵当権が抹消されます。
ローンの残債がある物件を売りたい場合は、残債以上に売却価格が上回るかどうかを確認してみましょう」。
売却価格を今すぐ知りたいなら不動産仲介会社に複数査定を依頼するのがおすすめ!
不動産の査定は素人では難しい為、不動産仲介会社に持ち込み査定を依頼します。
大体1週間ほどで査定金額がわかる為、複数の会社に持ち込み査定金額から相場価格を導き出しましょう。
相場価格よりローンの残債が下回っているなら売却を進めていって構いません。
わざわざ仲介会社に足を運ぶ時間がない方は、ネットで簡単に査定依頼ができるソクガイに問い合わせをしてみることをお勧めします。
住宅ローンを一括返済した場合にかかる費用
住宅ローンを一括返済する場合、通常よりも安くなるの?それとも高くなるの?と不安に感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
住宅ローンを一括で返済した場合にどんな費用がかかるのかをご紹介します。
一括返済でかかる手数料
住宅ローンを一括返済する場合手数料が発生します。
金融機関によりさまざまですが数万円が設定されている為、気になる方は金融機関に問い合わせをして確認してみましょう。
一括返済で利息と返済額はお得になるの?
住宅ローンを一括返済するにあたり、返済額がお得になるのかどうかは気になるポイントですよね。
基本的には住宅ローンの返済額は返済期間が短ければ短いほど金利がかからない為安くなります。
しかし、住宅ローン控除を受けている期間中に一括返済をする場合は注意が必要です。
一括返済をすると、本来控除されていたはずの金額は適用されない為、金利によっては一括返済せず控除を受けて毎月支払っていた方が実は支払い額が安くなることも。
売却を急がない場合は控除の期間(10〜13年)が終わってから売却することも視野に入れて、一番支払う費用が安くなるタイミングで一括返済しましょう。
ローンの残債がある家を売却できなかったらどうしたらいい?
売却金額より残債が大きい場合、その差額を手持ち資金で補填するという方法があります。
この場合、その後の生活に必要な資金が十分にある状態で補填できるなら問題ありません。
一番問題が大きいのは、一括返済できず、さらにローンの支払いもままならない場合です。
今後の住宅ローンの支払いが困難になると想定される場合は、まずは金融機関に相談しましょう。
滞納が続くと最終的に競売にかけられてしまう為、滞納する前に相談することが大事です。
金融機関としてできることは以下になります。
・返済期間を延長し、月々の支払い額を減らす
・ボーナス払いの額を減らす、もしくは設定自体をなくす
・一定期間元金の支払いをストップし、利息のみ支払う
また、住宅ローンの借り換えを行うことで金利が安くなり、支払う額が安くなることがあります。
この機会に住宅ローンの見直しを検討してみましょう。
リバースモーゲージやリースバックという選択肢もあり
リバースモーゲージとは、60歳以上の高齢者を対象としたサービスです。
住宅を担保に入れ、金利のみの支払いを行いながら融資を受けて生活することができます。
住宅ローンを支払うことが困難だが、そのまま家に住み続けたい、という方にはぴったりの方法です。
住宅ローンは金利と元本を毎月支払う必要がありますが、リバースモーゲージは金利のみの支払いとなるので毎月の負担は軽くなります。
また、似たような仕組みとしてリースバックという方法もあります。 リースバック自体は年齢制限が設けられていないケースがほとんどですが、住宅を売却した後、買主が大家、売主が賃借人となり、賃貸としてそのまま家に住み続けることができるという仕組みです。
リースバックについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
離婚後、ローンの残債がある場合の支払いについて
パートナーと暮らしていた家を離婚によって売却する場合、ローンの支払いはどうなるのでしょうか。
これはローンの組み方によって変わります。
ローンを最初に組む時のローンの支払い義務は名義人にあり、離婚を機に折半する必要はありません。
しかしパートナーと一緒に暮らすことを前提とした家の購入代金の為、夫婦間で持っているプラスの財産と相殺し、離婚する両者が同等の財産を持って別れることになります。
連帯債務や連帯保証を利用している場合は、債務者と同等の返済義務を負います。
Q&A
Q オーバーローンとはなんですか?
オーバーローンとは、不動産の価値よりもローンの残額が上回ることを指します。
例えば、金融機関から2500万円を借りて2500万円の戸建を購入したとします。
5年後、戸建の価値が1800万円に下がったとして、ローンの残債は2100万円だった場合、戸建の価値に対して300万円の負債がある状態=債務超過です。
このように、購入した不動産の価値よりもローンの残債が上回る場合、家を売却したとしても負債が残ってしまい、売却を考えるには不都合が大きくなります。
また、借り換えを行うとしても選べるローンの種類が少なくなってしまうなど、アンダーローンに比べ不利になります。
Q オーバーローンの家は売却できますか?
オーバーローンの家でも売却はできます。
ただ、それには条件があります。
・負債分を預貯金から補填して一括返済する
・他の不動産を購入して住み替えをする場合、残債も上乗せしてローンを組む
・物件の価値が残債と同等以下になるまで待ってから売却する
・ローンの残債を無担保ローンでお金を借りて支払う
・金融機関に相談の上、任意売却する
つまりローンの残債は必ず支払い切る、もしくは新たに借り換えを行う前提でなら売却をすることができます。
Q ローンが残っている家でも売却できますか?
はい、売却可能です。オーバーローンの家の売却と同様に、ローンを完済する必要があります。
Q ローンが残っている家を売る時の注意点は?
離婚を機に売却する場合はパートナーと一緒に築いた財産をプラスマイナス含めて同等にする必要があります。
売却金額がプラスになる場合も、負債が残ってマイナスになる場合も、他の財産と含めて同等になるよう調整することになります。
プラスであれば不動産を売却し、現金を折半することで解決しますが、マイナスになる場合はマイナス分をパートナーと出し合うか、または片方が支払い、その分別の財産を多くもらうかたちで解決します。
離婚時は揉め事になることも少なく無い為、ローンが残っている家を売る時は注意してください。
Q ローンが残っている家を売って住み替える場合、購入と売却はどちらが先?
どちらを先にしても大丈夫ですが、それぞれにメリットデメリットがあります。
先に新居を購入する場合
メリット
・新居選びを焦らなくて済む
・購入検討者の内覧対応をしなくて済む
デメリット
・新居を購入してから古い自宅を売るまでの間、二重ローンになる
売却価格が明確にならないまま新居を購入する為、売却価格に頼らない資金計画を立てる必要があります。
預貯金に余裕が無い状態で新居を先に購入することはやめましょう。
先に既存の家を売却する場合
メリット
・新居購入にあてられる費用が明確になり、資金計画が立てやすい
デメリット
・売却が完了してから新居を購入するまでの期間、仮住まいを用意しなければならない
売却を先に進める場合、既存の家から仮住まいへ、仮住まいから新居へと2回引っ越しせざるを得ません。
無駄な労力と費用はかかるものの、売却益でローンを一括返済し、手元に残ったお金を新居の購入にあてたい場合や、潤沢な資金が無い場合は売却を先にすることをお勧めします。
まとめ
住宅ローンの残債が残った物件の売却についてここまでご説明してまいりましたが、いかがだったでしょうか?
本当は家に住み続けたいが住宅ローンの支払いが難しく、致し方なく売却を検討しているのか、それとも、住宅ローン自体は問題なく支払えるが別の要因により売却を検討しているのかにより、売却のタイミングやその後の対処方法は違ってきます。
ご自分の状況を整理し、残債が支払えそうにない場合は、1人で悩まずに金融機関や不動産会社に相談しましょう。
残債のある家を売却したいなら
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。