2021年09月23日

確定測量とは?必要なケースと事前に押さえておくべきポイント

土地所有者の中には、土地売却を進めるにあたり「確定測量を行ったほうが不動産会社の査定結果が良くなる、売却時に買主が見つかりやすくなるのでは?」と考えている人もいると思います。

しかし、不動産売却で不要であるにもかかわらず確定測量を行った場合、専門家に測量費用を支払う必要があり、支出が増えたことで損をする可能性もあるので注意が必要です。

この記事では、確定測量の特徴、確定測量が必要なケース、押さえておくべきポイントなどを解説します。

土地売却を検討している人は参考にしてください。

確定測量とは

土地の売却について色々と調べていると、確定測量を行ったほうが売却を有利に進められるという内容を目にした人もいると思います。

「好条件での売却が期待できるのであれば確定測量を行ってみようかな」と考えた人もいると思いますが、そもそも確定測量が何なのかあまり詳しく知らないという人も多いのではないでしょうか?

まずは確定測量とは何なのか、意味とよく似た言葉として扱われる現況測量との違いを紹介していきます。

●確定測量の意味

確定測量とは、行政の図面をもとに土地の境界をすべて確定させる測量方法です。

隣接地の所有者(隣人)に、境界画定(筆界特定)の了承(合意)を得る必要があるので厳密に測量できるというメリットがあります。

土地境界(境界線)を確定させる際には、当該土地の所有者と測量士、隣人などに立ち会ってもらう必要があります。

また、官有地と接している場合は役所の担当者の立ち会いも必要です。

関わる人が増えるほど、全員のスケジュールを調整しなくてはならず、すべてのステップを終えるには時間と手間がかかるということを覚えておきましょう。

●現況測量との違い

現況測量とは、確定測量とは異なり、目視によって境界を図る測量方法です。

設置されているブロック塀(フェンス)や境界杭(境界標・境界点)などの位置、資料(境界確認書・筆界確認書・公図)に基づきながら現地測量にて境界を確認します。

確定測量のように隣人の了承を必要としていないため、正確性・信頼度は確定測量と比較すると低く、ざっくりとした広さ(地積・面積)を把握したい場合に現況測量を利用するのが一般的です。

 

確定測量が必要になるケース

土地売却では確定測量を行ったほうが好条件での売却が期待できると言われていますが、必ずしも確定測量が必要というわけではありません。

確定測量が義務付けられているわけではない、確定測量を依頼するのに費用がかかるというデメリットも伴うため、本当に必要なのかを理解した上で依頼することが大切です。

確定測量が必要になるケースとして、以下の3つが挙げられます。

・土地や建物を売却するとき
・土地や建物を相続するとき
・建物を新築するとき

それぞれのケースを詳しく説明していきます。

●土地や建物を売却するとき

土地や建物の売買では、隣地・隣家とのトラブルを未然に防ぐために境界を確定させてから売買するのが一般的です。

その理由は、瑕疵担保責任(契約不適合責任)を問われる可能性があるためです。

例えば、買主の主張する境界と隣人の主張する境界がズレていて越境状態にあった場合、売却後にトラブルに発展する可能性があります。

買主に「契約内容とは異なる」という理由で契約不適合責任による責任追及をされた場合には、売主は責任を負うことになるという点に注意してください。

そのため、土地や建物の売却を予定している場合には、リスクを回避して買主・売主がお互いに納得して取引するためにも、事前に確定測量を行っておくことをおすすめします。

 

●土地や建物を相続するとき

土地や建物は相続税の課税対象となります。

そのため、相続割合に応じて分割(分筆登記)する場合は、相続税評価額を算出する際の計算ミス、公平性に欠ける分け方によるトラブルなどを回避するために、確定測量しておくことをおすすめします。

確定測量によって境界が明確であれば、相続税の確定、現物分割を行う際にスムーズです。

不動産を売却により現金化してから分ける換価分割を選択した場合も、境界を確定させていれば不動産取引に安心して臨めるでしょう。

●建物を新築するとき

土地や建物などの不動産を新築・購入、建て替える際は法務局への登記申請(登記簿への登録)が必要になります。

登記申請の際は必ずというわけではありませんが、確定測量図の提出が求められる可能性があります。

新築時は現況測量図のみでも大丈夫なケースもあるため、無駄な支出を増やさない、必要だった場合にスムーズに確定測量を依頼するためにも、どのようなケースで必要になるのかを事前にチェックしておくことをおすすめします。

確定測量で押さえておくべきポイント

確定測量を依頼する際に誰が費用を負担するのか、手続きにどのくらいの時間がかかるのかなどの十分な知識がないまま進めると、後でトラブルに巻き込まれる可能性があります。

トラブルを回避するためにも、以下の2つのポイントを押さえてから確定測量に臨むことが重要です。

・費用負担は原則売主になる
・手続きには3~4カ月程度の期間がかかる

それぞれのポイントを詳しく解説していきます。

●費用負担は原則売主になる

確定測量を行う際にかかる土地家屋調査士の報酬、登録免許税などの費用は原則売主が負担します。

しかし、交渉次第では買主に負担してもらえるケースもあります。

当該土地が官有地と隣接している場合には、手続きに必要な書類が多く手間がかかることから、費用が高額になりやすいということも理解しておきましょう。

●手続きには3~4カ月程度の期間がかかる

確定測量を依頼することになった場合には、隣人や役所の立ち会いが必要になる、さまざまな手続きを経なくてはならず、手続きの開始から完了までおおよそ3~4カ月かかると言われています。

確定測量の具体的な流れは以下の通りです。

【確定測量の流れ】
①土地家屋調査士に依頼する
②必要書類を取得する
③隣接する土地の所有者や役所の担当者へ連絡する
④仮測量を行う
⑤現況測量を行う
⑥確定測量図を作成、捺印してから登記を行う

必要書類の手配は一部を土地所有者が行わなくてはなりませんが、土地家屋調査に依頼すれば他のすべての手続きを行ってくれるため、速やかに進められるでしょう。

 

確定測量は必須ではない

土地や建物を売却するからと言って、必ず確定測量を行わなくてはならないというわけではありません。

確定測量はあくまでも売却後の将来的なトラブルを回避する目的で任意で実施されるものです。

しかし、坪単価(地価)の高い都心では、売買契約書に記載されている面積と実際の面積が異なると売却代金に大きな差が生じることになるので確定測量が行われるケースが多いです。

必要かどうかの判断は難しく必要だった場合には費用と時間がかかるため、独断で決めるのではなく土地家屋調査士といった専門家に相談しながら決めましょう。

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