2021年09月02日

任意売却とは?手続きの流れや選択するメリット・デメリット

住宅ローンを契約してマンションや一戸建てなどの物件を購入した人の中には、返済計画に支障が生じ困っているという人もいるのではないでしょうか?

融資(借入金)の返済が滞ったまま放置していた場合には、債権回収のために不動産を差し押さえて競売手続きに移行ことになるため、早めに支払いについて交渉する必要があります。

この記事では、住宅ローンを返済できなくなった場合の選択肢の1つである任意売却とは何か、メリットとデメリットを解説します。

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任意売却とは?

銀行などの金融機関と住宅ローン契約を締結しマイホームを取得した所有者の中には、収入減少などの理由でお金のやりくりが苦しくなり、返済が滞り始めたという人もいるのではないでしょうか?

返済を滞納した場合は債権者である銀行から督促状が送付されますが、督促状を無視すると銀行から保証会社に残債務の請求権が移行し保証会社との間で返済額のやりとりをおこなうことになります。

保証会社からの請求を無視すると、今度は期限の利益の喪失によって、残債務が分割から一括返済に切り替わります。

そうなると、返済金額(返済額)の負担が大幅に増加し事実上の返済不能に陥るため、保証会社は裁判所に抵当権が設定されている対象物件の競売を申し立てるのが一般的な流れです。

しかし、競売以外に任意売却という選択肢もあります。任意売却とは何なのか、手続きの流れについても詳しく説明していきます。

●任意売却の基礎知識

任意売却とは、不動産を売却しても市場価格(売却金額)が住宅ローン残債を下回っているケースで取られる選択肢の1つです。

住宅ローンの滞納だけでなく、離婚により自分の意思とは関係なく財産分与のために返済途中で売却を実行しなくてはならないというケースでも住宅ローンが借り入れの残債を下回ることも。

不動産売却で売却代金を住宅ローンの返済に充てて完済できる場合には問題ありませんが、売却後に残債が残る場合には任意売却または競売のどちらかが選択されます。

任意売却は一般的な不動産売却と同様に不動産を自主的に売却しますが、競売は裁判所が介入し強制的におこなわれる売却という点で大きく違います。

競売は個人情報が公開されるため、プライバシーが守られない、競売物件は一般的な売却と比較すると落札価格が相場よりも安くなるのでデメリットが大きいです。

しかし、任意売却か競売かは、債務者(住宅ローン契約者)が自由に決定できるものではありません。

債権者と話し合い、同意を得て初めて任意売却を選択できるという点に注意が必要です。

●任意売却の流れ

任意売却は以下の4つの流れがあるので、事前に確認(チェック)しておく必要があります。

①不動産会社に相談して任意売却の計画を立てる
②金融機関に任意売却を申し出る
③任意売却の手続きを進める
④売買契約の締結と決済・引渡し

各ステップについて詳しく説明していきます。

①不動産会社に相談して任意売却の計画を立てる

金融機関に先に相談するのではなく、まずは不動産会社に住宅ローンの返済が困難であるという状況を相談します。

不動産会社が全て任意売却に対応しているわけではないため、任意売却に対応している実績豊富な専門家に相談することがトラブルを回避するための重要なポイントです。

相談する際は、どのくらい(いくらくらい)の売却価格になりそうかという査定結果(査定額)も不動産会社に提示してもらいます。

金融機関から残高証明書をもらっておくと、残債(残額)と査定価格の差を速やかに把握できます。

②金融機関に任意売却を申し出る

不動産会社から提示された査定結果に基づいて金融機関に任意売却を申し出ます。

金融機関から任意売却の審査を経て許可(承諾)を得られた場合は、不動産会社(仲介業者)と媒介契約を締結して、売却の手続きを進めていくことになります。

③任意売却の手続きを進める

通常の不動産の売却と同様、売却活動(販売活動)に取りかかります。

購入希望者が現れた場合、内覧対応をおこないます。

印象が売却結果を大きく左右します。

そのため、部屋をきれいな状況に維持しておくことが物件を高く売るコツです。

借金を抱えていて大変な状態かもしれませんが、いつ内覧をおこなってもいいように整理整頓を常日頃から心がけておきましょう。

④売買契約の締結と決済・引渡し

買主と売主の双方が契約条件に合意した場合、売買契約書の締結に移行します。

売買契約時に売却代金を全額受け取れるわけではありません。

売り手から買い手へ手付金が支払われ、残金の決済は物件の引き渡し日となります。

売主は売買契約書に記載されている引き渡し日までに鍵の準備と引っ越しを完了させる必要があります。

通常は、残金の決済で住宅ローンを完済して抵当権の抹消手続きを進めますが、任意売却では残債を完済できません。

しかし、物件の引き渡し時の残金の決済とともに抵当権の抹消手続き(抵当権抹消登記)をおこなって売買契約を完了させます。

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任意売却を選択するメリット

競売ではなく、任意売却を選択することにどのようなメリットとデメリットがあるのか気になっている人も多いと思います。

任意売却を選択するメリットとして、以下の3つが挙げられます。

・一般的な不動産と同様の売却方法を選択できる
・諸費用を売却額から差し引ける
・残債が残った場合も分割返済が可能

それぞれのメリットを詳しく紹介していきます。

●一般的な不動産と同様の売却方法を選択できる

競売を選択することになった場合、競売結果に売却価格が左右されます。

しかし、任意売却の場合、一般的な不動産と同様の売却方法を選択できるため、市場相場と同様の価格での売却が期待できます。

高く売却して残りの返済額を減らしたいという人は、競売よりも任意売却を選択した方が良いでしょう。

●諸費用を売却額から差し引ける

競売を選択した場合、自己資金から手数料を支払わなくてはなりません。

住宅ローンの滞納に陥っている状況であることを踏まえると、手元に手数料を払う資金が残っているとは考えにくく、手数料を払うために借金を背負うことになる可能性も。

一方で、任意売却を選択した場合、売却代金から不動産会社に支払う仲介手数料といった諸費用を差し引くことが可能です。

場合によっては引っ越し費用も売却代金から差し引ける可能性があるため、競売よりも任意売却の方が良いと言えるでしょう。

●残債が残った場合も分割返済が可能

残債が売却代金を上回るオーバーローンの状況では、売却代金を返済に充てても残債が生じます。

通常は残債の一括返済を求められますが、任意売却では分割返済を認めてもらえる可能性があります。

一括返済を求められた場合、自己破産に陥るリスクが高まりますが、分割返済であれば残債を無理なく返済できるので、自己破産を避けられる可能性が高い点も大きなメリットです。

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任意売却を選択するデメリット

任意売却を選択するデメリットとして、以下の2つが挙げられます。

・信用情報機関に事故情報が登録される
・売却代金は残債返済に優先的に充てられる

それぞれのデメリットを詳しく解説していきます。

●信用情報機関に事故情報が登録される

任意売却を選択するのは、滞納から6カ月程度が経過してからになるのが一般的です。

しかし、滞納から3カ月以上経過した場合は、信用情報機関に事故情報が登録されます。

事故情報が信用情報機関に登録されると、住宅ローンやカードローンなどの新規契約が一定期間できなくなることを十分に理解しておかなくてはなりません。

●売却代金は残債返済に優先的に充てられる

一般的な不動産の売却では、不動産を売却した後の代金は売主が自由に使うことができます。

そのため、引越し費用(引越し代)に回すことも自由です。

一方、任意売却によって得られた売却代金は残債返済に優先的に充てられます。

必要経費や引っ越し費用などを売却代金から捻出したい場合は、あらかじめ金融機関に相談しなければならないということを覚えておきましょう。

競売ではなく任意売却を提案する

住宅ローンの返済が滞り、連帯保証人のサポートも受けることができなかった場合は、債権回収のために競売という処分が下されます。

しかし、事前に相談すれば、競売よりメリットの多い任意売却を選択できる可能性があるため、諦めずに債権者と話し合うことが大切です。

話し合いが苦手という人は弁護士の利用も検討しましょう。専門家が対応してくれると安心です。

また、不動産会社(不動産業者)に仲介を依頼するという方法以外に不動産買取業者に買い取りを依頼するという方法もあります。

買い取りであれば、双方が条件に合意さえすればすぐに現金化できる、仲介手数料が無料、各種税金などの支出を抑えることによって利益を増やす効果が期待できます。

各買取業者で査定価格が異なるため、複数の買取業者に査定を依頼し高い査定結果の買取業者に買い取りを依頼するのが高く売るためのポイントです。

特に「ソクガイ.jp」は、価格査定(売買代金)が相場よりも安くなりがちな不動産買取において相場に近い買取価格を実現しているのでおすすめです。

住宅ローンの滞納に悩みを抱いている人は、一度ソクガイ.jpに問い合わせてみてはいかがでしょうか?

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株式会社NSアセットマネジメント

「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。

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