
夫婦が離婚するときの財産分与は、金銭のほか持ち家についても分与の対象になります。
そのまま住み続けるのか、売却して得た金銭を分与するのか、住宅ローンをどうするのか、売却する間際になってさまざまな問題があることに気づくことも多いかもしれません。
そこでこの記事では、持ち家を財産分与する方法や注意点について紹介します。
財産分与の協議が長引くと、新しい生活をスタートさせるのにも支障をきたします。
十分な準備をして財産分与に臨みましょう。
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離婚して家を財産分与する方法
離婚してマンションや一戸建てなどの住まいを財産分与する場合、通常住宅ローンを利用して購入し、残債が残っていると、複雑な問題が生じます。
それぞれの場合について順にみていきましょう。
●妻または夫のどちらかが家に住み続ける
夫婦のいずれかが住み続ける場合、住み続ける側は大きな環境の変化を伴うことなく生活を続けられます。
小さな子どもがいる場合には、子どもの精神面に配慮し、親権を取得する側が住み続ける場合が多いようです。
持ち家の所有権が住み続ける側にある場合には大きな問題は生じませんが、持ち家の名義変更がある場合には、住宅ローンの支払いをどうするのか決める必要があります。
●売却によって現金化してから財産分与する
持ち家を売却し、現金に換えて折半するケースも多くなっています。
売却方法については、一般的な売買仲介業者に依頼する方法、買取業者に買取を依頼する方法、そして金融機関と話し合いながら行う任意売却の方法が考えられます。
・一般的な仲介による現金化
不動産売却をするときには、一般的に不動産会社へ売買の仲介を依頼します。
仲介による売買のメリットは、不動産の売買相場に沿った金額で売却しやすい点です。
立地が良い、土地が広いなど特徴があれば、高値で売却できるでしょう。
ただし、買主が見つけられなければ換金まで時間がかかり、財産分与が進まないデメリットもあります。
広告の方法によっては、売却しようとしていることを周りの人に気づかれる可能性もあります。
・買取による現金化
不動産業者によっては、不動産の買取サービスを提供しているところもあり、このような業者に買取を依頼するのもひとつの方法です。
買取のメリットは、現金化がスピーディである点です。双方が買取金額に合意すれば速やかに契約手続きに進み、1か月ほどで持ち家を現金化できます。
宣伝活動もないため、周囲の人に知られることなく手続きを進めることができるでしょう。
一方で、買取業者は不動産を再販売することで利益を得るため、買取価格は相場よりも2~3割程度買取価格が低い傾向にあります。
とはいえ、買取価格の査定は業者によってさまざま。
買取サービス「ソクガイ.jp」では、できる限り相場に近づけた金額を提案していますので、一度相談してみてはいかがでしょう?
・任意売却による現金化
任意売却とは、金融機関から抵当権の抹消の承諾を得て行う売却のことです。
住宅ローンが残っている場合には、売却で得た資金でローンの残額を返済し、抵当権を抹消しなければなりません。
しかし、売買価額によってはローンの残債が残ることがあります。
このような場合には、ローンの支払いを継続することを条件に、債権者である金融機関に承諾を得て抵当権を抹消して売却する手続きを取ります。
ローンの残債を担保するために他の不動産を担保に提供したり、他の連帯保証人を付けたりすることが求められる場合があります。
売却の方法については、一般的な仲介による売却も考えられますが、購入する人が現れない場合には、競売にかけることもあります。
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離婚時の財産分与で押さえておきたいポイント
財産分与がこじれる原因のひとつに、財産の価値や財産分与の対象や財産分与の割合に認識の違いがあるということが挙げられます。
できる限り円満な話し合いとなるよう、財産分与のポイントを押さえておきましょう。
●財産の種類と分け方を決める
財産分与の対象となる財産は、夫婦が保有する財産すべてではありません。
財産分与の際には財産目録を作成し、財産の評価額と取得時期を明らかにしておきましょう。
夫婦間で共通の認識をもって話し合えば、後々のトラブルを避けることができます。
不安なときには、弁護士など法律の専門家への相談を検討してみてくだざい。
・財産分与の対象
財産分与の対象は、夫婦が婚姻中に築いた財産です。
預貯金・生命保険・株式・土地/建物・年金など、あらゆる資産が財産分与の対象になります。
このとき「退職金は財産分与の対象になるのか」という問題があります。
退職金は給与の後払い的な性格があるために一般的には財産分与に含めるべきですが、確実に支払われる保証はありません。
このため、現在勤務中で退職の予定がない場合には、財産分与の対象に含めないことが多いようです。
また、夫婦の一方が事業を行うために借り入れた債務など、マイナスの財産についても同じく財産分与の対象となります。
対象となる財産の総額を考えるときには、これらのマイナス財産については差し引いて考える一方、婚姻期間中に負った債務であっても、ギャンブルのためなど個人的に負った借金は分与の対象となりません。
・財産分与の対象外
結婚する前に貯金したお金や嫁入り道具など、婚姻前に形成された財産については財産分与の対象外とされています。
これは、婚姻期間中に夫婦の協力によって築かれた財産とはいえないからです。
同じ理由で、婚姻期間中に夫婦の一方が相続によって取得した財産についても財産分与の対象とはなりません。
別居中に得た財産についてはさまざまな議論がありますが、基本的には財産分与の対象とならないとされています。
別居中はすでに婚姻関係は破綻したとみなされる場合が多いために、夫婦の協力はないと考えられるからです。
もっとも、一律に別居時を財産分与の基準時とするのは公平さにかける場合がありますので、事案ごとに判定されることになります。
●分与の割合は原則2分の1ずつ
財産分与の割合は原則として財産総額の半分となります。
夫婦の役割は平等で、財産形成には双方が寄与したと考えられますので、公平性の観点から2分の1ずつとされています。
もっとも、慰謝料的な財産分与額が考慮されることもあるために、実務上はケースバイケースです。
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離婚で家を財産分与する際の注意点
ここでは、離婚で家を財産分与する際の注意点として、名義変更・住宅ローン・不動産売却に伴う譲渡所得税について説明します。
●名義変更手続きを行う
持ち家を売却せずに住み続ける場合には、不動産登記の所有者名義を確認しなければなりません。
夫名義の持ち家に妻が住み続ける場合には、妻に所有権移転登記をする必要があります。
名義変更を行わない場合には、夫婦間で賃貸借契約、使用貸借契約などを締結する必要がありますが、後々トラブルになりやすいため注意が必要です。
共有名義にしてそのまま住み続けるケースもありますが、のちに売却することになった場合に一方の同意が必要になる、相続が起こった場合に共有持分のみ相続されるなど、法律関係が複雑になりがちです。
そのため離婚時を境に、住み続ける人の単独所有となるよう移転登記をしたほうがよいでしょう。
一連の登記手続きは司法書士に依頼します。
必要な書類の作成、法務局への提出まですべて行ってもらえるため安心です。
●住宅ローンの返済を誰が行うのかを決める
夫婦の一方の収入で住宅ローンを支払っており、債務者ではない人が住宅に住み続ける場合には、その後の住宅ローンの支払いについてはっきりと定めておく必要があります。
シンプルな解決方法は、住み続ける人がローン債務を引き継ぐことですが、十分な収入がなかったり連帯保証人を求められたりするなど、さまざまなハードルが生じます。
住宅ローンを引き継がずに、そのまま返済を継続することも考えられます。
しかしこの場合においても、住宅ローンの滞納によって競売に欠けられたりすると、生活が不安定になる心配があります。
●譲渡所得税が発生する可能性がある
自宅を売却して譲渡益が生じた場合には、翌年に確定申告をして譲渡所得税を納めなければなりません。
譲渡所得税の税率は、取得時から譲渡日を含む年の1月1日時点において、所有期間が5年以下か5年超かで異なります。
5年以下の場合には短期譲渡所得とされ税率は39.63%(所得税、住民税、復興特別所得税含む)、5年超の場合には長期譲渡所得とされ20.315%です。
もっとも、自宅を売却したときには、3,000万円の特別控除を受けることができます。
一戸建てでもマンションでも築年数を経るごとに価値は減っていきますし、土地が急激に値上がりすることも今後は考えにくいことから、3,000万円以上の譲渡益が生じるケースはまれです。
したがって、自宅売却の際には譲渡所得税が発生しないケースが多いといえます。
もっとも、特別控除を適用する場合も確定申告は必要ですので、注意が必要です。
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財産分与を理解して円満な解決をはかる
離婚時の争いは、財産分与から生じることが非常に多いです。
離婚時にはすでに別居状態にあることも多く、十分な話し合いの機会がもたれないことも協議がこじれる原因と考えられるでしょう。
当事者のみで解決しようとすると、不公平な分与になったり、納得のいかない分与になったりしてトラブルに発展しがちです。
専門家の協力を得ながら解決していくことも検討しましょう。
財産分与は、分与の対象となる財産とその評価額のリストを作成することから始まります。
特に持ち家に住み続ける場合には、名義変更、住宅ローンの支払いなど複雑な問題が絡んできます。
買取サービスを利用したり、任意売却の手続きをしたりすることも視野に入れ、不動産業者に相談してみるとよいでしょう。
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