2021年12月07日

贈与税とは?不動産の譲渡で贈与税が課されるケース

土地や住宅といった不動産、預金、現金、証券などの財産の相続が発生した場合、相続財産に対して相続税が課されます。

そのため、相続税対策として生前贈与を考えている人も多いと思います。

しかし、贈与時には贈与税が課されるため、贈与税についても理解を深めておくことが大切です。

この記事では、贈与税とは何なのか、不動産譲渡で贈与税が課されるケース、相続時精算課税制度を利用する際の注意点などを解説します。

贈与税について詳しく知りたいという人は参考にしてください。

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贈与税とは

贈与税とは、個人から財産を贈与されたときに、財産を取得した受贈者に対して課される税金です。

法改正で相続税の基礎控除が減額されたことで、相続税の課税対象となる人が増えました。

その結果、税負担を少しでも軽減するために、相続税額を減らすための生前贈与を検討している人も増えています。

しかし、今度は生前贈与の贈与額に対して贈与税が課される場合もあるため、贈与税についての知識を身に付けておくことも大切です。

贈与税について詳しく説明していきます。

●贈与税の計算方法

贈与税は1月1日~12月31日までの1年間で贈与された贈与額に応じて変化します。

暦年課税制度を利用した場合の贈与税額は「(贈与財産の課税価額-110万円)×税率-速算控除額」で算出します。

基礎控除(110万円)までは、贈与税が非課税で手続きも不要です。

贈与税額の税率は、祖父母や父母などの直系尊属から贈与した年の1月1日時点で20歳を超える子や孫への贈与(特例贈与財産・特例税率)と、それ以外の贈与(一般贈与財産・一般税率)に分かれます。

贈与税額の計算に使用される税率の速算表は以下の通りです。

【一般贈与財産・一般税率】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1,000万円以下 40% 125万円
1,500万円以下 45% 175万円
3,000万円以下 50% 250万円
3,000万円超 55% 400万円

【特例贈与財産・特例税率】

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10% なし
400万円以下 15% 10万円
600万円以下 20% 30万円
1,000万円以下 30% 90万円
1,500万円以下 40% 190万円
3,000万円以下 45% 265万円
4,500万円以下 50% 415万円
4,500万円超 55% 640万円

暦年贈与を選択した場合でも、相続発生から3年以内に行われた贈与は相続税の課税対象です。

そのため、生前贈与による節税効果を高めたい人は、早めに生前贈与に取り組みましょう。

●贈与税を抑えられる相続時精算課税制度とは?

相続時精算課税制度とは、2,500万円までは特別控除によって贈与税がかからない制度です。

贈与した年の1月1日時点で60歳以上の父母、祖父母が20歳以上の子や孫に贈与する場合に利用できます。

2,500万円を超えた部分は20%の贈与税が課されるほか、贈与者が亡くなった場合には相続税として課税されるなど、税金が免除されるわけではないという点に注意してください。

また、贈与した年の翌年2月1日~3月15日の間に、贈与を受けた側が税務署に相続時精算課税選択届出書を提出しなくてはならないということも覚えておきましょう。

 

不動産の譲渡で贈与税が課されるケース

不動産の所有者の中には、不動産を生前贈与しておきたいと考えている人もいると思います。

しかし、不動産の生前贈与によって税率の高い贈与税がかかっては意味がないため、どのようなケースで贈与税が課されるのかを事前に把握しておくことが大切です。

不動産の譲渡で贈与税が課されるケースとして、以下の3つが挙げられます。

・不動産を贈与した場合
・共有持分を贈与した場合
・不動産や共有持分を時価よりも安く売却した場合

それぞれのケースについて詳しく解説していきます。

●不動産を贈与した場合

贈与した不動産の資産価値が基礎控除額を超える場合は、贈与税が課されます。

贈与税の税率は、相続税よりも高く設定されているので注意してください。

「税率が高いのであれば、不動産を贈与するメリットがないのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、譲渡したい人に確実に引き渡せる点が贈与のメリットです。

相続の場合は遺言書を作成しても相続人の反発によってその通りに相続が行われるとは限らないため、特定の人物に不動産を譲り渡したいのであれば贈与を選択することをおすすめします。

金額が大きいため、税金面が気になる人は、相続時精算課税制度の利用を検討すると良いでしょう。

●共有持分を贈与した場合

共有状態の不動産の共有持分のみを贈与する場合も贈与税が課される可能性があります。

例えば、共有持分の資産価値が基礎控除額を超えている場合、超過分に対して贈与税が課されます。

共有持分を贈与されても受贈者はあまりうれしくありません。

その理由は、共有持分のみを持っていても、不動産全体の売却といった行為が一部制限されるためです。

共有持分の処分に悩んでいて贈与を検討しているのであれば、贈与よりも売却したほうが良いでしょう。

ソクガイ.jpは、訳アリ物件や共有持分のみの買い取りなどに幅広く対応しています。

共有持分の売却に悩んでいる人は一度相談してみてはいかがでしょうか?

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●不動産や共有持分を時価よりも安く売却した場合

不動産や共有持分を売却しても、時価よりも売却額が安ければ贈与税を課される可能性があります。

贈与税が課されるのは時価よりも著しく低い場合に限られますが、具体的な金額の基準はありません。

贈与と見なされた場合は、時価と売却額の差額に対して贈与税が課されることから、不安な人は税金の専門家である税理士に相談することをおすすめします。

不動産の贈与で相続時精算課税制度を利用する際のポイント

不動産投資を行っている人の中には、収益不動産の扱いについて悩んでいる人も多いと思います。

収益不動産も生前に贈与しておけば、相続人である子供に財産が移転され、相続財産を減らすことで相続税対策になります。

しかし、贈与税のほうが相続税よりも税率が高く設定されているということを忘れてはなりません。

無駄な税金を納めずに済ませるためにも、不動産の生前贈与を行う際のポイントを押さえておくことが大切です。

不動産の贈与で相続時精算課税制度を利用する際のポイントとして、以下の2つが挙げられます。

・将来不動産価値が上昇する可能性が高い場合に有効
・暦年課税が利用できなくなる

それぞれのポイントを詳しく紹介していきます。

●将来不動産価値が上昇する可能性が高い場合に有効

相続時精算課税制度は適用した時点の資産価値を基準とします。

そのため、相続時点で資産価値が上がっていても関係ありません。

再開発などで将来地価が上昇する可能性が高い不動産を所有している場合には、相続時精算課税制度を利用して不動産の生前贈与を行っていれば、相続税を少しは抑えられるでしょう。

●暦年課税が利用できなくなる

相続時精算課税制度を利用した場合、暦年課税制度が利用できなくなります。

110万円以内の贈与についても基礎控除が適用されなくなり、2,500万円超の部分については課税対象として扱われます。

また、暦年課税では110万円以下の贈与については申告不要でしたが、暦年贈与を選択した場合は申告が必要です。

税務署から指摘が入ってペナルティが科されることがないように注意してください。

総合的に判断することが重要

生前贈与を行えば相続財産を減らすことによって相続税の節税効果が期待できますが、逆に贈与税が課されることによって税負担が大きくなる可能性もあります。

そのため、一概に生前贈与を行ったほうが良いとはいいきれないため、総合的に判断することが大切です。

住宅取得等資金や教育資金といった名目で贈与する場合は非課税枠を利用できるため、生前贈与の効果を高められます。

何をどうすればいいか分からないという人は、税理士に相談しながら対策を練りましょう。

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株式会社NSアセットマネジメント

「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。

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