農地や宅地といった土地等、マンションや一戸建てといった住宅等の不動産相続をしたという人の中には、土地売却・不動産売却したときに税金を納める必要があるのか気になっている人もいると思います。
納税義務があるにもかかわらず納税しなかった場合には、税務署から指摘が入り税額負担が大きくなる可能性があるので注意が必要です。
この記事では、相続不動産の売却でかかる税金、税負担を抑えられる優遇制度、相続不動産の売却方法について解説します。
相続不動産の売却を検討している人は参考にしてください。
目次
相続不動産の売却でかかる税金とは
親が亡くなった場合、遺言書が作成されているケースでは遺言書の内容に従って遺産分割を行います。
しかし、遺言書が作成されていないケースが多く、相続人全員で遺産分割協議という話し合いを通じて、遺産分割協議書という書類を作成しその内容に従うのが一般的です。
遺産の中に不動産が含まれる不動産相続が発生した場合、そのまま不動産を相続するケースもあれば不動産を売却して現金化してから相続するというケースもあります。
売却価格の全額が手に入ると思っている人もいるかもしれませんが、仲介手数料といった費用や税金を差し引かなくてはなりません。
相続不動産の売却でかかる税金として、以下の3つが挙げられます。
・譲渡所得税
・登録免許税
・印紙税
それぞれの税金を詳しく説明していきます。
●譲渡所得税
譲渡所得税とは、譲渡益(売却益・利益)が発生した場合に課税される税金の総称です。
「所得税+住民税+復興特別所得税」の3つをまとめて譲渡所得税と呼びますが、譲渡所得税という名目の税金があるわけではないという点に注意が必要です。
譲渡所得税は、「譲渡価額×税率」という計算方法で算出しますが、所有期間が短期か長期なのかで適用される税率が以下のように変わります。
・短期譲渡所得:所得税30.63%(復興特別所得税込み)+住民税9%=39.63%
・長期譲渡所得:所得税15.315%(復興特別所得税込み)+住民税5%=20.315%
両者の違いは所有期間が5年を超えているかどうかです。
少しでも税負担を軽減したい人は、不動産の所有期間が5年を超えてから売却しましょう。
●登録免許税
登録免許税とは、法務局(登記所)で登記をする際にかかる税金です。
買主は売主から所有権を移転させる際の名義変更手続き(所有権移転登記)で、売主は抵当権が抹消されてない場合に抵当権抹消手続き(抵当権抹消登記)で登録免許税がかかります。
所有権移転登記の登録免許税は登記の理由によって以下のように税率が異なります。
登記の理由 | 税率 |
土地の売買 | 2.0% |
土地の相続 | 0.4% |
土地の贈与、交換、収用、競売 | 2.0% |
建物の所有権の保存 | 0.4% |
建物の売買または競売 | 2.0% |
建物の相続 | 0.4% |
建物の贈与、交換、収用 | 2.0% |
また、抵当権抹消登記は不動産ごとに発生するので、土地と建物の両方を登記するのが一般的です。
そのため、1件につき1,000円、2件分なので2,000円を負担することを覚えておきましょう。
●印紙税
印紙税とは、売買契約書を交わす際に課税される税金です。
印紙税の税額は以下の通りです。
契約金額 | 税額 |
10万円を超50万円以下 | 200円 |
50万円超100万円以下 | 500円 |
100万円超500万円以下 | 1,000円 |
500万円超1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超1億円以下 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 6万円 |
5億円超10億円以下 | 16万円 |
10億円超50億円以下 | 32万円 |
50億円超 | 48万円 |
不動産売買では何かと費用・税金がかかることを覚えておきましょう。
相続不動産の売却時に譲渡所得税を抑えられる優遇制度
相続不動産の売却で最も大きな税負担となるのが譲渡所得税です。
そのため、少しでも譲渡所得税を抑えられる節税対策がないのか気になっている人も多いと思います。
譲渡所得税を抑えられる優遇制度として、以下の2つが挙げられます。
・取得費加算の特例
・相続空き家の3,000万円控除
それぞれの優遇制度について詳しく解説していきます。
●取得費加算の特例
取得費加算の特例(正式名称:相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)とは、すでに納付した相続税(相続税額)の一部を譲渡所得の算定時に取得費に加算できる特例です。
取得費に相続税の一部を加算することによって譲渡所得税を抑える効果が期待できます。
しかし、相続開始の翌日から3年10カ月以内に売却していることという要件を満たす必要があるという注意点が挙げられます。
●相続空き家の3,000万円控除
相続空き家の3,000万円控除(正式名称:被相続人の居住用財産【空き家】に係る譲渡所得の特別控除の特例)とは、以下のいずれかの条件を満たした場合に、譲渡所得から最高3,000万円の控除を受けられる特例です。
・耐震基準に適合した空き家を売却
・空き家を取り壊して更地にしてから売却
耐震基準を満たさない場合、耐震リフォームをして適合させれば対象となります。
この特例は、空き家を減らすことを目的としているため、被相続人が亡くなる前に1人暮らしだった場合に限られています。
相続してからの売却については、ほとんど同じ居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例を適用できるということを覚えておきましょう。
相続不動産の売却方法
相続不動産の売却は、不動産を一括で売却するのか、共有状態で売却するのかによって売却方法が異なります。
そのため、どのような売却方法があるのか事前に把握しておくことが大切です。
相続不動産の売却方法として、以下の3つが挙げられます。
・仲介による売却
・不動産買取業者への売却
・共有持分のみの売却
相続不動産の売却方法を詳しく紹介していきます。
●仲介による売却
不動産を一括で売却する場合の選択肢として、仲介による売却が挙げられます。
仲介を選択した場合には、立地条件や不動産会社の営業力の影響を受けるため、すぐに成約するとは限りません。
また、仲介を選ぶ際は、不動産会社によって査定結果が異なるので複数社に依頼することも重要です。
複数社に依頼するのに手間と時間がかかるという人は、不動産一括査定サイトを利用すれば複数社に同時に査定を依頼できて便利なので覚えておきましょう。
●不動産買取業者への買取依頼
媒介はすぐに買い手(購入希望者)が見つかるとは限りませんが、買い取りであれば買主と売主が契約条件に合意さえすればすぐに成約します。
そのため、現金化を急いでいる場合には不動産買取業者への売却がおすすめです。
しかし、買い取りは転売による利益を目的としているため、買取価格が相場価格よりも低くなるケースが多いです。
買い取りを選択する際は、複数社の買取価格を比較しながら買い取ってもらう不動産業者を決めましょう。
「ソクガイ.jp」は、相場に近い買取価格を実現している不動産買取業者です。
少しでも高く買い取って欲しい人は、ソクガイ.jpに問い合わせてみましょう。
●共有の場合は共有持分のみを売却
遺産分割(遺産相続)の際に共有を選択して相続手続き(相続登記)を進めた場合、相続割合に応じた共有持分を取得することになります。
共有持分を持っていても、利用や行為が一部制限されるにもかかわらず、固定資産税や都市計画税は持分割合に応じて負担するといったデメリットが多く、あまりメリットはありません。
そのため、共有状態になっている場合は共有持分のみの売却も可能なので、売却して現金化することをおすすめします。
「ソクガイ.jp」は、再建築不可物件といった訳あり物件や共有持分の買い取りにも応じています。
早急な買い取りを希望している人は、一度相談してみてはいかがでしょうか?
あなたの物件、売却可能かもしれません
税金についてよく分からないという人は税理士に相談
居住用の不動産に限らず、賃貸物件のような土地活用中の不動産を相続することもあります。
そのまま不動産を相続することも可能ですが、売却により現金化してから相続することも多いです。
相続不動産を売却して譲渡益が発生した場合には、申告期限までに確定申告書を作成して手続きを進めなくてはなりません。
申告を怠った場合は税務署に指摘されるため、不動産売却の税金について不安という人は、税理士に相談しましょう。
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。