
狭小住宅とは、文字通り「狭くて小さい土地に建てられた住宅」のことです。
明確な定義があるわけではありませんが、一般的には約15坪以下の土地に建てられる住宅を指しています。
狭小住宅は、特に地価が高い都市部でよく見られますが、売却する際はなかなか売れづらく、当初の予定より時間がかかるのも珍しくありません。
そこで、狭小住宅が売れない理由と、売りやすくするために自分で採り入れられるコツについて、あらかじめ知っておきましょう。
目次
狭小住宅が売れない理由
狭小住宅が売れづらいのには、れっきとした理由があります。
一般的に考えられる理由を紹介しましょう。
●特殊な仕様や間取りであるケースが多い
たとえ狭小住宅であっても、建物を建てる以上は建築基準法を遵守しなくてはいけません。
また、快適に暮らすためには、日当たりやプライバシー、風通しにも気を使わないといけないでしょう。
狭小住宅では、限られたスペースでこれらの課題をクリアしなくてはいけません。
そのため、特殊な仕様や間取りになる場合も多々あります。
単純に狭いから、という理由はもちろん、間取りが特殊で快適性が低くなるという理由で買い手が見つかりにくい点に注意しましょう。
●住宅ローン審査に通りにくい
住宅ローンの審査においては様々な要素が勘案されますが、その中でも建物の資産価値は非常に重視されます。
しかし、狭小住宅は、建物の面積自体が狭く、間取りも特殊になりがちであるため、一般的な不動産と比べると担保価値が低くなりがちです。
そのため、住宅ローンの審査においては不利になります。
審査自体を通過できない、もしくは通過できても融資を受けられる額が当初の希望より低くなるといった事態は十分起こりうるのです。
買主が住宅ローンの審査に通過できなかった場合、その時点で売ることはできなくなるため、また一からやり直しになってしまいます。
●購入後のコストが高くなりやすい
狭小住宅は、購入後のコストも高くなりがちな点に注意が必要です。
狭小住宅は狭い土地に建てられるものであるため、修繕が必要になった場合、重機が入りにくかったり、足場が組みにくくなったりすることもあります。
そのため、難しい条件であっても対応してくれる工務店を見つけられるかが非常に重要です。
費用の手ごろさだけを重視して工務店を選べない以上、購入後のコストは高くなりがちでしょう。
また、建物を解体して再建築する場合も、対応してくれる工務店を見つけるところから始めないといけません。
結果として、狭小住宅は総じて高くつくと考えてしまうことで、購入をためらう買い手も多いのが現状です。
売れない狭小住宅を売却する際のコツ
狭小住宅は、一般的な住宅にはない売れづらい部分があるのは事実です。
しかし、工夫を重ねることで、狭小住宅であっても十分売却できるようになります。
取り入れるべきコツを紹介しましょう。
●リフォームしてから売却する
リフォームをしてから売却することで、早期に売れる可能性をある程度高めることはできます。
狭小住宅に限らず、家はきれいなほうが買主の印象が良いのも事実です。
そのため、売却する前にリフォームを実施してみましょう。
見た目が良い上に、買主が購入後リフォームを行う必要がなくなるため、購入を前向きに検討してもらいやすいでしょう。
ただし、いつリフォームをするかは慎重に検討する必要があります。
自分が必要だと思うリフォームと、買主が希望するリフォームに相違があった場合、成約に至るのは難しくなるかもしれません。
また、あらかじめリフォームしたからといって、必ず購入希望者が現れるとは限らないので注意しましょう。
本来なら必要がないリフォームをして無駄なお金を使ってしまわないよう、リフォームを検討している際は、具体的な時期や予算も含め、一度不動産会社に相談するのをおすすめします。
●売出価格を引き下げる
狭小住宅を売るためには、売出価格を引き下げるのも1つの手段です。
「家は欲しいけど、初期費用はなるべく抑えたい」という人が関心を持ってくれる可能性が高まります。
特に「都心部の駅から徒歩圏内」というロケーションにある狭小住宅であれば「通勤・通学に便利な家が欲しいけど、多くの予算が割けない」という人が興味を示してくれるかもしれません。
ただし、無節操に引き下げてしまうと自分が損をする羽目にもなるため、慎重にすすめるのが重要です。
あらかじめ、不動産会社に最低価格やその他の希望条件を伝え、様子を見ながら売却活動をしてもらいましょう。
●特殊な条件の不動産売却に強い不動産会社に相談する
特殊な条件の不動産売却に強い不動産会社に相談するのも、狭小住宅を早期に売却するためには有効でしょう。
不動産会社によっても「マンション売却が得意」「戸建て売却に力を入れている」「訳あり物件(事故物件、再建築不可物件など)の相談も可能」など、得意としている分野は異なります。
そのため、売りたい物件に似ている不動産の売却実績が豊富、もしくは専門としている不動産会社を選ぶのが大事です。
狭小住宅の売却実績が豊富な不動産会社ももちろんあるので、いくつか見繕って相談してみましょう。
狭小住宅を好条件で売却したい場合に押さえておくべきポイント
狭小住宅を好条件で売却したい場合、不動産会社に仲介を依頼して買主を探す以外の方法も視野に入れてみましょう。
ここでは、具体的な方法とポイントを解説します。
●隣接地の所有者に買い取りを提案する
狭小住宅を売り出す前に、隣接地の所有者に買い取ってもらえないか提案するのも1つの方法です。
隣接地の所有者にとっては「土地を広げられる」という明らかなメリットがあります。
建物を使う予定がなくても、解体すれば駐車場や庭にも転用可能です。
●不動産買取業者に買い取ってもらう
「とにかく早く売りたい」という場合は、不動産買取業者に買い取ってもらうのが良いでしょう。
狭小住宅を売却する場合、不動産会社に仲介を依頼して買主を探す以外にも、不動産会社自ら買い取ってもらうことも可能です。
この場合、買主(ここでは不動産会社)と売主の双方が契約条件に合意できればすぐにでも成約に至ります。
買主を探す時間も省けるので、早期の売却が可能です。
ただし、市場相場よりも買取価格が低くなりがちな点にも注意しましょう。
なお、ソクガイ.jpでは市場相場に近い買取価格での狭小住宅・訳あり物件の買取に対応しています。
「他の不動産会社に相談したけど、いまいち成果が出ない」場合は相談してみましょう。
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まとめ
狭小住宅はやや特殊な住宅であるため、通常の住宅と同じように販売活動をしたのでは、売れるまでに時間がかかるかもしれません。
しかし、狭小住宅ならではの事情を踏まえた戦略を立てれば、売れる可能性は十分高められます。
不動産会社の担当者とも相談し「どうすれば、できるだけ自分の望みに近い形で、早期に売却できるか」を考えて動きましょう。
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。