旗竿地とは、道路に接する部分が細長くなっている旗のような形の土地です。
相続した土地(敷地)や建物(物件)、所有しているのが旗竿地という人の中には、不動産売却で何かしら不利にならないのか不安という人も多いのではないでしょうか?
正方形、長方形、平ら(平坦)できれいに整った整形地とは異なり、三角形、五角形、高低差がある非整形地(旗竿地を含む)は、価格が安い一方、デメリットも多いので注意が必要です。
この記事では、旗竿地のメリットとデメリット、高く売却するコツを解説します。
目次
旗竿地のメリット
不動産会社が紹介(提案)した住宅が中古一戸建て、注文住宅を新築しようと検討している土地が旗竿地というケースもあります。
旗竿地は道路に接している間口が狭く、細長い竿部分(路地状部分・延長部分)を通過してようやく玄関にたどり着くという土地の形状です。
一般的な整形地とは異なり、土地の形状が特殊なので、何らかの制限を受けないか気になっている人も多いのではないでしょうか?
形状だけに着目するとデメリットの多そうな旗竿地ですが、メリットもあります。
まずはメリットについて詳しく説明していきます。
●静かで落ち着ける
旗竿地の住まいを確保する、旗竿地で家づくりを始めるメリットには、静かで落ち着けるという点があります。
旗竿地では竿部分に建物を建築することはできないので、道路に接道している部分から奥まった場所に家を建てることになります。
つまり、公道からは離れているため、車やバイクの騒音、排気、通行人の話し声などが気になりにくいです。
そのため、交通量の多い公道でも、騒音や排気を気にせず落ち着いて暮らせるでしょう。
●予算を抑えたい人に需要がある
旗竿地は、きれいな形状をした土地(整形地)よりも価格が控えめな傾向があります。
その理由は、査定時に旗竿地のような不整形地は補正によって坪単価が引くなるケースが多いためです。
そのため、マイホームの取得を考えているものの、自己資金(購入資金)が不足している、住宅ローンで借入できる金額が少なく購入を躊躇している人でも手が届きやすいでしょう。
●税金を抑えられる
旗竿地は整形地と比べて資産価値が低くなります。
その理由は、固定資産税路線価をもとに算出する固定資産税評価額が整形地よりも低くなるためです。
固定資産税評価額が低いということは、不動産の所有者に毎年義務化されている固定資産税や都市計画税などの税負担を抑えられるということを意味します。
賃貸住宅の場合は賃貸物件の所有者(オーナー)が固定資産税や都市計画税を負担していたため、賃貸から切り替える人は実感がないかもしれません。
しかし、持ち家の場合は持っているというだけで毎年税金を課されるので、負担を軽減できるのは大きなメリットと言えるでしょう。
旗竿地のデメリット
旗竿地は特殊な土地形状であるため、整形地とは異なるデメリットが伴うことが注意点として挙げられます。
例えば、建物を建築する場合のルールについて定めた建築基準法第43条には「幅員が4m以上ある道路に敷地の間口が2m以上接していなければならない」という接道義務の項目があります。
接道義務(規制)に違反している、再建築不可となる可能性があり、リフォームは可能でも建て直しが不可能であるため、売却時に不利になりやすいという点に注意が必要です。
他にどのようなデメリットがあるのかを詳しく説明していきます。
●通風や採光に問題があるケースが多い
旗竿地は、周囲(隣地)を住宅に囲まれているため、通風(風通し)や採光(日当たり)に問題が生じるケースが多いです。
通風や採光に問題があるということは、夏場は湿気がこもりやすく、冬場は寒くなりやすいということなので、建物の劣化が進行しやすい、冷暖房の効率が悪くなります。
1階は通風や採光が悪いため、過ごす時間の長いリビングを2階に設ける、窓の位置を工夫するといった対策が必要になります。
また、四方を囲まれることによって隣家からの視線が気になりやすいため、ブラインドやカーテンを設置する、壁を高めにするなどのプライバシー面への配慮も重要です。
●土地の活用を工夫する必要がある
旗竿地は竿部分(路地部分)をどのように利用するかが大切なポイントです。
路地部分が狭い場合、土地活用が難しくデッドスペースとなることも珍しくありません。
そのため、設計プランを立てる際には工夫が必要になります。
路地部分が広ければ駐車スペース(駐車場)、トランクルームを設置するなどの有効活用が可能ですが、狭ければ子供の遊びスペースや自転車置き場などとして活用することになります。
しかし、路地部分を子供の遊び場にするのは少し危険です。
その理由は、先が公道になっているためです。
道路に飛び出さないように門を設置するといった事故防止を心がけておけば安心して過ごせます。
また、路地部分の広さが十分であれば問題ありませんが、奥行きが短い 場合は1台しか駐車できない、縦列駐車しかできない場合は不便であるという点に注意が必要です。
●建築コストが高くなる可能性がある
旗竿地に建物を新築することになったまたは旗竿地の建物を建て直すことになった場合は、建築コストが高くなる可能性があるという点に注意してください。
その理由は、旗竿地に新築する場合、電線や水道管、ガス管の引き込みなどにプラス料金が発生する可能性があるためです。
また、大きな重機が路地部分を通過できず追加の費用がかかることも。
せっかく土地を安く手に入れても建築コストが高くかかっては意味がありません。
旗竿地を取得して建物を新築する際は、事前に建築コストも確認してから購入を決定しましょう。
旗竿地を高く売却する方法
旗竿地のような非整形地は整形地と比較すると売却時に不利になりやすいです。
そのため、少しでも高く旗竿地を売却したいと考えている人は、対策を練ってから売却に臨むことが大切です。
旗竿地を高く売却する方法として、以下の2つが挙げられます。
・隣接する不動産を購入してから売却する
・買取専門業者に買い取りを依頼する
それぞれの方法を詳しく紹介します。
●隣接する不動産を購入してから売却する
路地部分に隣接する不動産を購入してから売却すれば、旗竿地ではなくなります。
旗竿地のデメリットが解消されることにより買い手需要(購入希望者)が増えるため、売却を有利に進めやすくなります。
しかし、必ずこの方法を選択できるわけではありません。隣接地の所有者に売却の意思がある、隣接地を購入する資金が旗竿地の所有者になければ実践できない点に注意が必要です。
●買取専門業者に買い取りを依頼する
不動産買取の場合、双方が条件に合意すればすぐに売買契約が成立します。
その結果、売却にかかる時間と手間を省けるだけでなく、不動産会社に仲介を依頼しないので仲介手数料も省くことが可能です。
しかし、不動産買取の場合は、相場よりも買取価格が安くなるのが一般的です。
そのため、少しでも高く売却したい人は、複数の買取業者に買取査定を依頼して、最も高い買取価格を提示してくれた業者に買い取りを依頼しましょう。
既に旗竿地を持っていて売却に悩んでいる人は「ソクガイ.jp」に相談することをおすすめします。
一般的に買取価格が安くなりやすい不動産買取ですが、ソクガイ.jpは相場に近い価格での買い取りを実現。
訳あり物件の買い取りにも対応しているので、一度問い合わせてみてはいかがでしょうか?
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土地の特徴を事前に知っておくことが大切
旗竿地という土地は、公道から離れているので落ち着ける、安く入るというメリットがある一方、売却時に不利になりやすい、新築する場合のコストが大きくなりやすいなどのデメリットも伴います。
購入してから後悔しても手遅れなので、メリットだけでなくデメリットも踏まえながら購入するか考えることが大切です。
また、売却を検討している人は、買い手が見つかるまでに時間がかかることを覚悟しておく必要があります。
今すぐに現金化したいという人は、買取専門業者に相談することをおすすめします。
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。