区画整理は、道路や公園・広場を整備するなど、公共の福祉のためには欠かせないものです。
しかし、「ある日、自分や家族の土地が区画整理の対象になった」と聞くと、たいていの人は驚くでしょう。
また、「清算金も支払われる」と聞いても、清算金が何かわからず混乱することも考えられます。
自分や家族の土地が区画整理の対象となっても戸惑わないよう、区画整理や清算金について、基本的な部分を理解しましょう。
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目次
区画整理の清算金とは
所有している土地が区画整理の対象となった場合、清算金を受け取れることがあります。
そこで、区画整理は具体的に何をするのか、清算金とは何かについて、掘り下げて解説しましょう。
●区画整理とは
区画整理とは、土地区画整理事業のことです。
つまり、道路や公園・広場などの公共施設を造るために、候補地の周辺に土地を持っている人たちから少しずつ提供してもらい、整備を進める事業と考えましょう。
また、以下のような地域の課題を解決するため、大規模な区画整理が行われることもあります。
- 中心市街地の活性化
- 密集市街地の解消
- 街区再編による土地の高度利用
- 拠点市街地の形成
- スプロール市街地の改善
なお、区画整理を行った後の土地は、保留地もしくは換地(仮換地)のいずれかになります。
保留地 | 区画整理事業で新たに生みだされ整備された土地のこと |
換地(仮換地) | 地権者が持っている土地のこと |
また、区画整理の一般的な流れは以下の通りです。
- 住民案、都市計画の決定
- 施行規程・定款の作成
- 事業計画の決定
- 土地区画整理審議会・総会の設置
- 仮換地指定
- 工事・建物移転補償
- 換地処分
- 土地・建物の登記
- 清算金の徴収・交付
- 事業の完了
●区画整理での清算金とは
区画整理にあたっては清算金の徴収・交付も行われます。
簡単にいうと、区画整理前と後で生じた土地の価格差を埋め合わせるためのお金です。
価値が下がれば清算金が受け取れる(交付)一方、上がれば支払い(徴収)が必要になるでしょう。
なお、区画整理によって土地は狭くなります。
しかし、整形されて使いやすくなるため、価値は上がることが多い点にも留意しましょう。
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区画整理の清算金はいくらになる?
区画整理の清算金を受け取るか、支払うかは、区画整理の状況によっても異なります。
いずれにしても、いくらになるのかは多くの人が気になるはずです。
目安と期日までに支払えない場合の対処法について知っておきましょう。
●区画整理の清算金の目安
まず、区画整理の清算金の目安ですが、個々のケースによって異なるので一概にはいえません。
0円から数百万円まで幅広いですが、0円になる可能性は低いのも実情です。
なお、清算金の金額は「区画整理により、所有していた土地の広さがどれだけ変わるか」によって決まります。
面積がさほど変わらなかったり、小さくなったりする場合は、清算金を徴収される可能性が高いです。
逆に、大幅に面積が減少した場合は、清算金を受け取れる可能性が高くなるでしょう。
●区画整理の清算金が払えない場合は?
区画整理の清算金を支払う場合は、期日までに支払うのが基本です。
支払えそうにない場合は、市区町村役場の担当部署にすぐに相談しましょう。
なお、清算金は金額にもよりますが、分割で支払うこともできます。
ただし、2回目以降の支払いには利子がつく点に注意が必要です。
また、一括払い・分割払いを問わず、清算金を期日までに支払えないと、最終的には差し押さえにまで発展します。
これは土地区画整理法という法律に基づく手続きであり、回避できません。
もちろん、いきなり差し押さえられるわけではなく、最初は督促状が送られてきます。
この際、地方自治体が定める利率で計算した延滞金の請求もなされる仕組みです。
そして、督促状が送られてきたり、延滞金が請求されたりしているにも関わらず応じなかった場合、滞納処分が行われます。
簡単にいうと、土地などの財産が差し押さえられ、競売にかけられるということです。
いずれにしても、清算金を支払えない事情がある場合は、市区町村役場の担当部署に出向き、相談しましょう。
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所有する土地が区画整理の対象になったら?
自分や家族が所有している土地が区画整理の対象になった場合、どう対応すれば良いのかわからず戸惑う人も多いでしょう。
トラブルなく進めるためのポイントを解説します。
●専門家へ相談する
とにかくストレスがない状態で進めたい場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。
区画整理が行われると、これまで使っていた土地が使えなくなったり、引っ越しを余儀なくされたりなど重大な影響が及びます。
区画事業を行う組合・個人との話し合いも、感情的になってしまうとうまく行かないでしょう。
そのため、なるべく影響を抑え、しかるべき補償が受けられるよう、交渉をしなくてはいけません。
しかし、交渉にあたっては専門的な知識が必須です。弁護士に委任し、交渉を任せるのをおすすめします。
なお、弁護士を選ぶ際は、その弁護士の専門分野を確認しましょう。
一口に弁護士といっても、これまでどんな案件を扱ってきたかはまったく異なります。
企業法務を得意とする弁護士もいれば、労務トラブルに強い弁護士もいるのが実情です。
区画整理事業も含めた不動産トラブルに強い弁護士に依頼すれば、納得がいく形で交渉を進めてくれるでしょう。
家族、友人・知人経由のあてがなければ、数名の弁護士にコンタクトを取り、実際に話した上で依頼する弁護士を選ぶのをおすすめします。
●不動産を売却する
土地を手放すことに抵抗がない場合は、区画整理が始まる前に売却してしまいましょう。
ただし、区画整理が行われると、土地の免責・住所・価値が変わる可能性があります。
そのため、買主が見つかりにくいのも実情です。
できる限り早めに手放したい場合は、不動産買取業者に買い取ってもらうと良いでしょう。
区画整理の対象となっている土地も含め、一般的に売却がしにくいと言われている不動産であっても、条件さえ合えば売却できます。
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難しい問題だけに慎重に対応しよう
冒頭でも触れた通り、区画整理は公共の福祉のためには欠かせないものです。
しかし「自分や家族の土地の価値が減る」「清算金を支払わなければいけなくなる」可能性がある以上、損を被らないよう、慎重に対応する必要があります。
思い入れがあるなどの理由でその土地に住み続けたい場合は、弁護士と相談してどう動くのが良いのかを模索しましょう。
一方、さほど思い入れがなく、事情も許すようなら思い切って売ってしまうのも1つの手段です。
ただし、区画整理の予定がある土地は、取得後に状況が変わってしまうこともあるため、あまり好まれません。
時間がない場合は、不動産買取業者を使えば迅速に進められるので、覚えておくと良いでしょう。
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。