2022年03月22日

生産緑地を解除する方法は?解除できる条件と2022年問題について

生産緑地とは、都市計画法によって「生産緑地地区」として指定された市街化区域の農地を指します。

指定を受けることで、固定資産税や相続税などが優遇される仕組みです。

良好な都市環境の形成を図り、計画的に農地を保全するため、このような仕組みが取り入れられています。

ただし、生産緑地には「一度指定されると宅地化して売却できない」など、特殊な事情があるため注意が必要です。

生産緑地の解除の条件や方法、関連するトピックとして「2022年問題」について知識を深めましょう。

生産緑地の解除の条件

一度生産緑地に指定された場合でも、一定の条件に当てはまれば指定を解除できます。

具体例をみてみましょう。

●生産緑地の関係者が農業に従事できない状況になった

生産緑地の関係者が農業に従事できない状況になった場合は、生産緑地の指定を解除できます。

生産緑地に指定されると、営農と農地管理が義務付けられますが、その前提が成り立たない状態になるためです。

なお、農業が従事できない状況かどうかは、主たる従事者の状況を基準に判断します。

主たる従事者とは、以下の2つの条件を満たす人です。

  • 農地基本台帳に名前の記載がある
  • 農業の中心的な担い手であるか、経営者である

「農業に従事できない状況」にあたるかは、個々の状況によっても異なりますが、目安としては「両眼の失明、上下肢の喪失など、治癒することができない障害等を負った場合」と考えておきましょう。

なお、本当に障害や疾病にかかって従事できない状況なのかは、農業委員会が調査を行い判断します。

実際は「市区町村(農業委員会等)に買い取りの申出→現地調査→証明書を交付」という流れで進むことも覚えておきましょう。

●生産緑地の主たる従事者が死亡した

生産緑地の主たる従事者が死亡した場合も、市区町村に買い取りを申し出ることができます。

ただし、主たる従事者が複数人いた場合は、残された人だけで農業を継続できないことが条件となるため注意しましょう。

なお、手続きを行う際は、亡くなったことを証明するために、戸籍謄本・除籍謄本を添付書類として提出しなくてはいけません。

●生産緑地に指定された日から30年が経過した

生産緑地に指定されている土地の所有者に対しては、30年間の営農義務が課されています。

そして、指示告示日から30年経過した場合は、生産緑地の指定が解除されるため、建物を建てたり、宅地に転用したりすることができるのです。

ただし、30年経過していたとしても、自動的に生産緑地の指定が解除されるわけではありません。

市区町村へ買い取るよう申出が必要なので、そのままで建物を建てたり、宅地に転用したりすることはできない点に注意しましょう。

生産緑地の解除方法

何らかの理由で生産緑地の指定を解除したい場合、しかるべき手続きを踏まなくては行けません。

ここでは、順番を追って生産緑地の解除方法について解説しましょう。

①指定解除の要件に該当しているかチェックする

最初に、指定解除の条件に該当しているかをチェックしましょう。

次のいずれかの条件を満たすか、確認が必要です。

  • 生産緑地の関係者が農業に従事できない状況になった
  • 生産緑地の主たる従事者が死亡した
  • 生産緑地に指定された日から30年が経過した

満たしていない場合は買い取りの申出自体ができません。

②市区町村に買い取りの申出を行う

指定解除の条件に該当していることがわかったら、市区町村に買い取りの申出を行いましょう。
なお、この際以下の書類が必要となります。

  • 生産緑地買取申出書(実印を押印)
  • 同意書(所有権者と申出地に所有権以外の権利を持つ人全員の同意)
  • 印鑑証明書(発行後3カ月以内)
  • 土地登記簿謄本・公図
  • 生産緑地買取申出地の位置図および区域図
  • 農業従事者証明
  • 医師による診断書(故障の場合) 
  • 委任状(代理人が市区町村役場に出向く場合)

③買取可否の通知が届く

書類の提出後、市区町村が審査を行います。

審査の結果、申し出から1ヶ月以内に買い取りができるか・できないかの通知が送られてきます。

買い取りに応じてもらえる場合は、市区町村と買い取り価格の協議に移行します。

一方、応じてもらえない場合は、農業希望者への斡旋に移行する流れです。

斡旋もうまくいかず、買い取りもなされなかった場合、買取申出から3ヶ月後に生産緑地に対する行為制限も解除されます。

生産緑地の2022年問題とは

生産緑地に関するトピックの1つに「2022年問題」があります。

詳しくは後述しますが、2022年に多くの生産緑地が買い取りの申出が可能な状態になることで引き起こされる問題です。

2022年問題がそもそも何か、その中で土地を売却したいならどうすれば良いのかを知っておきましょう。

●多くの生産緑地が買い取りの申出が可能な状態になる

生産緑地法が施行されたのは1992年です。

そのため、施行されてすぐに生産緑地として指定を受けた土地の多くが、2022年には市区町村に対して生産緑地の指定を解除するよう求めることができます。

解除すると、税制上の優遇は受けられませんが、地目を変更できるため、住宅を建てられるようになるというメリットがあるのです。

このような背景があるため、生産緑地に指定されている土地を持つ人がこぞって市区町村に買い取りの申出をすることが予想されます。

●供給過多による不動産価格下落が予想される

2022年問題は簡単に言うと「生産緑地の指定が解除されることで引き起こされる問題」です。

つまり、生産緑地の指定が解除できる時期になれば、買い取りの申出をする人がたくさん出てきます。

そのため、市場に売り出される不動産も増えていくことから供給過多となり、需給と供給のバランスが崩れます。

結果として不動産価格が下落する可能性が出てくるのです。

●売却の工夫が求められる

いわば、2022年は土地の供給過多が起きているため、好条件での売却が難しいでしょう。

それでも、できる限り好条件で、トラブルもなく売却するためには、専門家のサポートを受けるのがやはり有効です。

生産緑地に関する知識が豊富な不動産会社に仲介を依頼しましょう。

できる限り好条件で売るなら専門家のサポートは必須

家族や親族が農業を営んでいたものの、自身では営む予定がない場合は、生産緑地の指定を解除しましょう。

その土地に自分で家を建てたり、土地自体を売却したりするなど、活用ができるようになります。

ただし、2022年は生産緑地法が施行されて30年にあたるため、生産緑地の指定が解除された土地が多く出回ることが予想されます。

できるだけ好条件で売却するためには、専門家に相談するなど工夫が必要です。

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株式会社NSアセットマネジメント

「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。

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