2021年10月18日

旗竿地の建て替えは難しい?注意点と建て替えできないときの選択肢

旗竿地を所有している人の中には、築年数の経過により劣化が進行したことを理由に、建て替え工事に取りかかりたいと考えている人もいると思います。

しかし、解体工事にかかる解体費用、建て替え工事にかかる建て替え費用ともに大きくなりやすいなど、建て替えが容易ではないという点に注意が必要です。

この記事では、旗竿地の建て替えが困難な理由と注意点、建て替えできない場合の活用法を解説します。

旗竿地の一戸建てを購入したものの建て替えに悩んでいるという人は参考にしてください。

旗竿地は建て替えが困難

整形地を取得してハウスメーカーで注文住宅を新築する人もいれば、旗竿地のような不整形地を取得し新築住宅を建築する人もいます。

不整形地は形状がきれいではないという理由から整形地と比べると評価額が低いため、物件取得時の費用相場を抑えられるというメリットがあります。

しかし、旗竿地は築年数が経過して建て替えが必要になった場合に建て替えが困難といわれているので注意が必要です。

旗竿地とはそもそもどのような土地なのか、建て替えが困難な理由を詳しく説明していきます。

●旗竿地とは

旗竿地とは、竿のついた旗のような形をしている土地です。

敷地延長(敷延)や路地状敷地などと呼ばれることもあります。

奥まった場所にあるので静か、土地の坪単価が安いというメリットがある一方、隣家に囲まれているのでプライバシー保護や日当たり、風通しに難ありというデメリットがあります。

また、全ての旗竿地に該当するわけではありませんが、建て替えが出来ないケースが多い傾向にあります。

●建て替えができない旗竿地の特徴

建築基準法上の道路(幅員4m以上)に敷地が2m以上接していない

幅員4m以上の道路に家の敷地の間口が2m以上接していない土地には原則家を建ててはいけない、と建築基準法で定められています。

この接道義務は昭和25年に定められたもので、それ以前に建てられた家については建て替えができません。

旗竿地で万が一火災があったり、怪我人や病人が出た場合、敷地までの通路が狭い為に消防車や救急車が敷地にスムーズに入れず、救助に遅れが出る可能性があります。

また、消火活動が遅れた場合には近隣住民にも被害が広がる可能性があります。

このような状況を考慮して旗竿地の建て替えが規制されていると考えられます。

●旗竿地の建て替えが困難な理由

旗竿地は以下の2つの理由から基本的に建て替えが困難といわれています。

・重機を使用しにくい

・資材や廃材の運搬が困難

・重機を使用しにくい

一般的に旗竿地の通路部分(竿部分)は狭いので、解体業者が建物解体時に重機が使用できないケースが多いです。

重機が通れない場合は解体作業を手作業で行う可能性があり、結果的に通常の解体工事と比較して時間とコストがかかりやすいという点に注意が必要です。

・資材や廃材の運搬が困難

重機がギリギリ通れたとしても、資材や廃材の運搬ができないケースも多いです。

その結果、竿部分を通って更地に資材や廃材を運搬することに問題が生じ、最終的には資材や廃材を全て小運搬(手運び)する可能性があります。

路地部分の大きさによっては、時間とコストがかかるということを十分理解しておきましょう。

旗竿地で建て替えを行う場合の注意点

旗竿地で建て替えを行う場合の注意点として、以下の3つが挙げられます。

・再建築不可の可能性がある

・解体費用が高額になる

・工期が長くなる

・近隣トラブルが発生しやすい

それぞれの注意点について詳しく解説していきます。

●再建築不可の可能性がある

旗竿地の中には、法改正によって建築基準法の接道義務を満たしていないものもあります。

接道義務とは、建築のルールについて定められている建築基準法第43条の「幅員4m以上の道路に敷地の間口が2m以上接する」というルールのことです。

「セットバックすることによって再建築できるのでは?」と思った人もいるかもしれませんが、旗竿地の問題はセットバックで解決できる問題ではありません。

旗竿地の問題を解決するには、隣地を買い取って間口を広げる必要があります。

接道義務を満たしていない建築物は再建築不可となります。

そのため、気付かずに義務違反の建物を解体してしまうと、再建築できない(建て替え不可)ので注意しましょう。

●解体費用・建築費用が高額になる

路地部分が狭いと、重機が使用できない、資材や廃材の運搬が困難です。

一般的な解体工事に使用される重機の幅は2m。

間口が2mに満たない場合、重機が入ることが出来ず手壊しせざるをえません。

重機を使う場合よりも2〜3倍は割高になると想定しておきましょう。

通常の建て替えとは異なる解体方法または建築方法で作業を進めていくことになります。

全て手作業になった場合、それだけの人員を確保する必要がある、人員を確保できたとしても通常よりも工期が長くなるため、結果的に通常の建て替えよりもコストが大きくなるという点にも注意してください。

●工期が長くなる

解体費用、建築費用が高額になるのと同様に、整形地の解体や建築よりも手作業が多くなり、おのずと工期も2倍近くに長くなります。

小型の重機を所有している解体業者であれば直接敷地に乗り入れることができる可能性があり、その分工期が1.5倍程度と短くなるので、重機の取扱においても解体工事会社に問い合わせしてみることをおすすめします。

●近隣トラブルが発生しやすい

旗竿地は周囲が隣家に囲まれているのが特徴です。

そのため、建て替えを進行する際に、解体時にほこりや粉じん(粉塵)が飛散しやすく、騒音や振動も発生します。

隣接地(隣地)からクレームが入りやすく、近隣トラブルに発展しやすい環境(立地条件)であることも考えながら建て替えに臨まなくてはなりません。

建て替えに必要な費用

●解体費用の相場 

旗竿地に建つ建物の解体費用の相場は以下です。

木造 3〜4万円
鉄骨造 3.5〜4.5万円
鉄筋コンクリート造 6〜7万円

(1坪あたり)

●新築の相場

木造 40〜80万円
鉄骨造 60〜90万円
鉄筋コンクリート造 70〜110万円

上記はあくまでも相場であり、間口の広さやエリアによって金額はまちまちです。

また、建て替えを行うなら上記以外にも建て替え中の仮住まいや引っ越し費用などあらゆる費用がかかることも想定すべきでしょう。

整形地に比べ解体費用、新築費用共に数百万円高くなることもしばしばある為、情報収集は怠らないようにしましょう。

所有する旗竿地で建て替えができないときの選択肢

自身の所有する物件または相続した物件が旗竿地で建て替えができないときの選択肢として何があるか気になっている人も多いと思います。

所有する旗竿地で建て替えができないときの選択肢として、以下の7つが挙げられます。

・リフォーム、リノベーション

・更地にして駐車場や駐輪場にする

・更地にすると税負担が増加する 

・隣接している土地の所有者に売却する

・隣接している土地の一部を買い取る

・不動産会社に仲介を依頼して売却する

・不動産買取業者に買い取りを依頼する

それぞれの選択肢を詳しく紹介していきます。

●リフォーム、リノベーション

建て替えができない土地でも、既に建っている建物のリフォームやリノベーションなら行うことが可能です。

ただし、この場合建築確認申請が不要な程度のリフォームに限られます。

建築確認申請が不要なリフォーム

・10m2以内の増改築

・主要構造部の1/2未満の修繕

上記の範囲内でリフォームを行うことでまるまる建て替えなくても十分魅力的な家に生まれ変わる可能性があります。

ご自分で住むほか、人に貸したり売却する時もリフォーム後の方が物件価値が上がりニーズが高まるでしょう。

賃貸や売却を視野に入れてリフォームを行う場合は、リフォーム費用とその後得られる家賃相場や売却相場を考えて損をしない範囲でリフォームするようにしましょう。

●更地にして駐車場や駐輪場にする

建て替えは諦めて、駐車場や駐輪場にするという手段もあります。

駐車場にする場合は車が乗り入れられるだけの通路幅が必要なので、最低でも間口は3.5m以上ほしいところです。

駅の近くなどバイクや自転車の置き場に困るエリアであれば駐輪場の経営も一つの選択肢といえそうです。

管理会社によっては頭金0円で駐輪機器の設備ができる会社もあり、管理も委託できる為、需要の多いエリアでは手間をかけずに稼ぐことができます。

●更地にすると税負担が増加する 

建物の固定資産税はなくなるものの、土地の固定資産税は3〜4倍、都市計画税は3倍高くなります。

更地にして税金が安くなると思っていたのに以前より高くなってしまったというケースも多いので税金の支払いが毎年どの程度になるのかもあらかじめ把握しておくと良いでしょう。

計画的に駐車場や駐輪場にするためなら良いですが、無計画に古い家だからと取り壊してしまうと建て替えができず土地の価値が下がっただけになってしまうので、不必要に更地にすることは避けた方が良さそうです。

●隣接している土地の所有者に売却する

建て替えが出来ない旗竿地に対するニーズは高くありません。

もし売却をお考えなら、隣接している土地の所有者に相談してみることも一つの手段です。

「敷地を広げたい」と考えている場合に限りますが、有力な売却先となるでしょう。

ただし個人間で売買を行うのは後でトラブルを生む可能性があり危険です。売却額や敷地の境界など曖昧にできない点がたくさんあります。

不動産会社を間に入れて契約を行うことをおすすめします。

●隣接している土地の一部を買い取る

隣接している土地の一部を買い取ることで間口を広げ、建て替え可能にする方法です。

通路に接している土地を一部買い取ることができないか隣接地の所有者に相談してみましょう。

自身で建て替えるつもりがなくても、建て替え不可より建て替え可能な土地の方が売却金額は上がる為、隣接地の買い取ったとしても十分利益が出る可能性があります。

●不動産会社に仲介を依頼して売却する

1つ目は、通常の不動産と同様に、不動産会社に査定、仲介を依頼(媒介契約を締結)するという方法です。

旗竿地だからといって、需要が全くないというわけではありません。

再建築不可の旗竿地でも、リフォームやリノベーション、賃貸物件として活用することは可能なので、多少の需要は期待できます。

不動産会社によって査定で重視するポイントや営業力などに差があるため、査定結果も異なってきます。

そのため、査定を依頼する際は、複数社に査定を依頼することが重要です。

複数社に査定を依頼するのに手間と時間がかかるが面倒という人には不動産一括査定サイトの利用が便利なのでおすすめです。

不動産一括査定サイトでは、一度物件情報を入力すれば複数社の査定結果が簡単に手に入ります。

効率良く査定を依頼したい人は、不動産一括査定サイトの利用を検討してみましょう。

●不動産買取業者に買い取りを依頼する

2つ目は、不動産買取業者に買い取りを依頼するという方法です。

旗竿地というだけであれば一定数の需要は期待できます。

しかし、再建築不可の場合は何らかの理由で建物が倒壊・焼失して建て替えが必要になっても、再建築できないので需要が限られます。

そこでおすすめするのが不動産買取業者に不動産を買い取ってもらうという方法です。

不動産買取だと、双方が条件に合意さえすればスムーズに契約が成立します。

また、仲介手数料がかからないので不動産取引にかかるコストを抑えられるというメリットがあります。

しかし、買取業者は転売による利益を目的として買い取っているため、一般的に買取価格が相場よりも安いので注意しましょう

ソクガイ.jpは、相場に近い買取価格を実現している不動産コンサルティング会社です。

旗竿地のような訳あり物件、共有持分のみの買い取りにも対応しており、買い取りに応じてもらえる可能性が高いです。

旗竿地の扱いについて困っているという人は一度ソクガイ.jpに相談してみてはいかがでしょうか?

 

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旗竿地の扱いについて事前に考えておくことが重要

居住中の不動産の将来についてあまり考えることは少ないかもしれませんが、旗竿地、特に再建築不可物件を所有している人は将来どうするのかについて考えておく必要があります。

建て替えが必要になるまで放置している場合は、再建築不可物件は建て替えができないので現金化を希望していても買い手が見つかるとは限りません。

不動産買取業者に買い取ってもらうという方法だと、買い手が期待できない物件でも買い取ってもらえる可能性がありますが、さすがに利益が見込めないと判断されると断られる可能性も。

将来扱いに困ってしまうという状況を避けたい人は、早めにどうするのか考えておきましょう。

旗竿地についてQ&A

Q 旗竿地の売却相場っていくらですか?

A その土地の相場価格から10〜30%程度低い金額で売買されることが一般的です。

Q 旗竿地はなぜ安いのでしょうか?

A 整形地に比べ建て替えがしづらく、活用の幅に制限があり、世の中のニーズが低い為です。
同じ敷地面積でも整形地より安い金額で売買されます。

Q 旗竿地を相続しましたが建て替えができないようです。どうしたらよいでしょうか?

A ご自分で住むのであれば、現状の建物の状態とご自分の好みなどからそのまま住み続けられそうか、リフォームをするかを選択することになります。
売却を検討するのであれば、
・建て替え可能にする為に隣地の一部買取を提案する
・建築確認申請が不要な規模におさえてリフォームし、建物の価値を上げる
など、不動産の価値を高めることで高く売却出来る可能性があります。
不動産仲介会社に依頼し、売却が難しそうであれば旗竿地の買取実績を多数持っている買取業社に依頼することがおすすめです。

株式会社NSアセットマネジメント

「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。

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