
再建築不可の可能性のある不動産を相続した、あるいは再建築不可物件の購入や売却を検討している方の中には、
・再建築不可物件は建て替えができず、活用しづらい土地だと知った
・売却需要が少なく売りづらいと知った
・できれば活用したいと思っているが、どんな方法があるのだろう?
と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
実は再建築不可物件の中には法的な手続きを行うことで建て替えが可能になるケースがあります。
この記事では、あなたの所有する物件が再建築不可物件かどうかの調べ方から、建て替え可能にする方法、建て替えできない場合の活用方法をご紹介しています。
あなたにとって一番ベストな活用方法を見つける参考にしていただければと思います。
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再建築不可物件かどうかの調べ方
これから土地や物件を購入予定の方は、物件情報に「再建築不可」と記載がある為しっかり認識することができますが、相続などで見知らぬ不動産を得た場合、どのように見分けるのでしょうか。
自分が所有している物件が再建築不可かどうか確認するには、その地域の市町村役場に直接聞きに行くのが一番確かです。
・登記事項証明書
・公図
・地積測量図
・建物図面
を法務局で入手することができるので、事前に入手して持参しましょう。スムーズに確認できます。
役所では
・前面道路が建築基準法道路であるか
・接道義務違反となっていないか
の2点を必ず確認しましょう。
同時にそもそも建て替えができない地域でないかどうかも聞いておくと良いでしょう。
建て替えができる方法もある
前項で再建築不可物件は基本的に建て替えができないとお伝えしましたが、条件により建て替え可能にすることができます。
・隣地を買い取る
・セットバックする
・但し書き申請を行う
建て替え可能にする為の詳しい内容は以下の記事を参考にしてください。
住宅ローンの通りやすさ
再建築不可物件を購入、あるいは既にお持ちの物件をリフォームしたい場合、住宅ローンが使えるのかどうかは重要な課題です。
再建築不可物件で住宅ローンは使用できるのでしょうか。
銀行のローンは通りづらい傾向にある
再建築不可物件は担保価値が低いため、住宅ローンを満額で引くことが難しい傾向にあります。
住宅ローンとは銀行が対象の住宅を担保に入れる代わりに住宅の購入金額を融資してくれる仕組みとなっています。
この時担保評価が低いと、買主が購入金額として借りたい金額を銀行が出すことが難しくなります。
これから再建築不可物件を購入したいとお考えであれば、頭金を何割か先に入れてローンで借りる金額を抑えることで通る場合もありますので、お手持ちの資金と照らし合わせて検討してみてください。
ノンバンク(銀行以外)であれば通る可能性もある
ノンバンクとは銀行以外の金融機関のことをさし、主にクレジットカード会社、信販会社、消費者金融などが該当します。
ノンバンクで住宅ローンを組むメリット
①購入の際の審査が早い
銀行でローンを組む際は審査に1〜2週間、融資が始まるまで2週間〜1ヶ月がかかりますが、ノンバンクであれば審査が最短で3日、融資が開始するまで1〜2週間とかなりスピーディにローンを使うことができます。
②審査が通りやすい
ノンバンクは事業者ごとに独自の審査基準を持っており、銀行よりも柔軟に審査する傾向にあります。
銀行融資の方が低金利であるため、本来なら銀行で融資を引きたいはずですが、それでもノンバンクでお金を借りる選択をしているということは、銀行では融資が引けなかった方が顧客ターゲットということになります。
その為、金利が高い分銀行に比べ通りやすい仕組みになっています。
③口座開設しなくて良い(自由に引き落とし口座を選ぶことができる)
銀行の住宅ローンを利用する場合はその銀行の口座を引き落とし先に設定することが一般的です。
しかし、必ずしも給与の振込先と住宅ローンの引き落とし先が一緒の銀行とは限りません。
ノンバンクであれば預金業務をそもそも取り扱っていない為、口座の指定はなく自由に引き落とし先を設定することができます。
ノンバンクで住宅ローンを組むデメリット
①取り扱い商品数が少ない
ノンバンクの取り扱い商品はフラット35であることが多く、それ以外の商品が選択できない点は人によってはデメリットといえるでしょう。
②銀行より金利が高い
ノンバンクは預金を取り扱っていない為、銀行に比べて資金調達にコストがかかります。
その為銀行に比べ金利が高く設定されている傾向にあります。
収入や預金残高などによって再建築不可の物件に銀行の住宅ローンを使うことは難しい場合がありますが、ノンバンクであれば比較的借りやすい傾向にあります。
メリットデメリットを考えて選択してみてください。
再建築不可のまま活用する方法
物件に住むことをお考えなら「リフォーム」
再建築不可物件が建て替え不可であった場合は”リフォーム”という手段があります。
再建築不可であれば相場価格よりも安く購入出来る為、リフォーム前提で購入するぶんにはメリットがあります。
ただ、旗竿地で通路が狭い場合、解体や建築の費用が割増になる可能性があります。
これは重機や運搬車両が土地に入りきれず、人の手で荷物を運ぶ必要があるからです。
これから再建築不可物件の購入を検討している方は、リフォーム費用が割増になることを見越した上で購入することをお勧めします。
また、建築確認申請が必要ない範囲でしかリフォームが出来ないという点にも注意が必要です。
建築確認が不要なケース
・木造平家のリフォーム
・木造2階建のリフォーム
2階建以下、延面積500m2以下、高さ13m以下、軒の高さ9m以下の木造建築物に限る
建築確認が必要なケース
・木造3階建、または鉄骨2階建の大規模なリフォーム
・準防火・防火地域内での増築
・準防火・防火地域外での10m2を超える増築
・鉄骨2階建てや木造3階建ての屋根の葺き替え、外壁の1/2以上の補修、スケルトンリフォーム
つまり、大抵の木造住宅2階建のリフォームであれば建築確認は不要といえます。
それ以上の大きさであったり、鉄骨など木造以外の構造の住宅であれば建築確認は必要となります。
住む予定が無いなら太陽光、コンテナ、駐輪場など「土地活用」
ご自分やご家族が住む選択肢が無いのであれば、一度更地にした上で土地活用をするのも一つの手です。
太陽光発電
太陽光発電土地が広ければソーラーパネルを設置して収入を得ることができます。
太陽光発電を行うメリット
・安定した収入が手に入る
・国が定めた制度や補助金が活用できる
・ランニングコストはほぼかからない
太陽光発電を行うデメリット
・数千万の初期投資が必要
・収入が日照に左右される
・売電価格は減少傾向にある
太陽光発電の一番のメリットは国が約束している制度で安定した収入が手に入ることです。
「再生可能エネルギー固定価格買取制度」という制度があり、太陽光発電を含む再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が一定期間、一定価格で買い取ることを国が約束しています。
維持管理についても点検費用のみで、費用や手間が比較的少ない点もメリットと言えるでしょう。
デメリットは初期投資が大きい点です。大きな土地であれば太陽光パネルの設置やインフラの整備に数千万円の費用がかかります。
また、土地が狭い場合は毎月の収益が少なく初期投資費用の回収に時間がかかります。自己資金をある程度持っている方に向いている活用方法といえるでしょう。
コンテナ(トランクルーム)
空いた土地にコンテナのトランクルームを設置して副収入を得るという方法もあります。
コンテナ経営のメリット
・ランニングコストがほぼかからない
・収益性が高い
・場所を選ばない
コンテナ経営のデメリット
・再建築不可の土地では建てることが不可能なケースが多い
・数千万の初期投資が必要
トランクルームのキュラーズは「トランクルーム市場は2020年、過去10年で倍増に至る670億円規模となった」と報じています。
テレワークの導入が加速したことで個人需要が増えたほか、オフィスの規模を縮小する会社が多くなったことで法人利用も増加傾向にあるようです。
2026年には1,000億円規模への市場拡大の可能性を秘めていると予想。
キュラーズ 「2021トランクルーム市場、過去10年で倍増の670億円へと拡大」
市場規模が拡大しており、さらに駅から離れていたり小さな土地でも運用できる為、再建築不可の土地にはぴったりかと思いきや、間口が狭い旗竿地ではコンテナを敷地内に運ぶことが困難な場合が多く、現実的にはあまり向いていません。
また、トランクルームの初期投資としては9坪弱1台で400〜500万円程度、本体価格は約100万円程度となり、いくつか設置しようとすると数千万円はかかります。
太陽光発電と同じく、自己資金に余裕のある方にお勧めの投資法です。
駐輪場
駅付近や、子供が多い土地であれば駐輪場の経営も手段のひとつとして有効です。
駐車場経営のメリット
・初期投資が少ない
・再建築不可物件のような、旗竿地でも対応可能
・すぐに始められる
・相続税の対策になる
駐車場経営のデメリット
・所得税の負担が増える
・収益性が低い
初期設置0円で管理してくれる管理会社もあり、初期費用にコストがかからない土地活用なら駐輪場経営がお勧めです。
旗竿地であれば間口が狭いので車を乗り入れることは難しくなりますが、自転車やバイクであれば乗り入れができます。
お持ちの土地周辺で自転車やバイクを使う人が多いかどうか、近くに競合となるような駐輪場やバイク置き場があるかどうかなどを調査し、需要の有無を確認しましょう。
建て替えでもリフォームでもない、一番手っ取り早い対処方法
ここまで、お持ちの物件が再建築不可であった場合の対処法をご紹介してきましたが、
・物件に住む予定が無い
・建て替え可能にするにしても手続きなどの処理が多く大変そうだ
・土地活用も大変そうだ
このようなお考えがある方は、売却も視野に入れてご検討してみてはいかがでしょうか。
売却には不動産仲介会社へ仲介を依頼する方法と、不動産買取業者へ売却する方法の2種類があります。
不動産仲介会社に仲介を依頼
不動産仲介会社とは、持っている物件を売りたい人=売主と、買いたい人=買主とを繋ぎ合わせる役割の会社です。
つまり仲介会社が物件を購入するのではなく、売主と買主とをマッチングさせ、手数料で利益を得ているということです。
不動産仲介会社に仲介を依頼するメリット
相場価格で売却できる
買いたい方とのマッチングになる為、不動産のプロに買い叩かれることなく相場に近い価格で売却しやすい傾向にあります。
不動産仲介会社に仲介を依頼するデメリット
仲介手数料を支払わなければならない
売却価格に応じて手数料を支払わなければならない為、上限はあるものの費用は発生します。
費用については以下で詳細をご説明しております。
売却までに時間がかかる
不動産仲介はあくまでも買主とのマッチングをしてくれる会社なので、買主と金額の折り合いがつかなかったり、そもそも買主が見つからなければ売却できません。
すぐに買主が見つかることもありますが、売却完了までに何ヶ月もかかってしまうこともあります。
不動産買取業者へ売却
不動産買取業者とは、その会社自身が買主となり物件を購入します。
買取業者が買い取った物件はリフォームを行い別の業者や一般の方に向けて販売し、購入金額との差額で利益を出します。
不動産買取業者へ売却するメリット
売却までの期間が短い
不動産買取業者が買い取ってくれる為金額の折り合いがつけば最短1週間ほどで売却が成立することもあります。
ソクガイでは最短即日査定、3日で買取を行っており、売却を急ぐ方にお勧めです。
不動産買取業者へ売却するデメリット
売却価格が低い
買取業者は転売で利益を出すことを見越した金額設定をする為、売却価格は相場より2〜3割低くなります。
時間がかかっても高く買い取って欲しい、という想いがある方は不動産仲介会社へ依頼することをお勧めしますが、再建築不可物件の場合買い手が見つかりづらいことを理由に仲介を断られる傾向にあります。
複数の仲介会社に相談し、断られた場合は不動産買取業者への売却を検討してみてはいかがでしょうか。
ソクガイは、100名を超える不動産投資家を抱えており、有料コンサルティングで利益を上げている為、物件転売で利益を出す必要がなく、相場価格に近い金額で買い取っております。
旗竿地(再建築不可物件)を高く売却するコツは以下の記事を参考にしてみてください。
売却という手段も視野に入れつつ一番ベストな方法を
再建築不可物件は整形地と違い建て替えがしづらかったり、売却がしづらいという懸念はあるものの購入金額は低く、環境や土地の大きさによっては活用の可能性も十分ありえます。
相続した物件が再建築不可だった、あるいは再建築不可の物件に住もうか考えている方にとって、リスクやメリットデメリットをしっかり理解し、より良い選択ができる判断材料の一つになれば幸いです。
「不動産投資の業界を誰もが挑戦できるクリアな業界に変える!」をモットーに、2016年6月、不動産投資家が集まって立ち上げた会社です。設立以降、不動産投資家による不動産投資家の為の投資コンサルティングサービスを複数展開すると共に、投資用物件の売買も行っています。宅地建物取引士、賃貸経営管理士、AFP認定者等、不動産から資産運用まであらゆる問題を解決する専門家が記事を監修、校閲しています。不動産を売りたい方、買いたい方、不動産にまつわる様々な疑問・問題を抱えている方へ役立つ情報をお届けします。